1) 韓国がモデルとする米国の医学教育は卒前, 卒後, 医師国家試験など民間主導 (AAMC, AMA, ACGME, LCME, NBMEなど) で韓国の医学教育のアングロサクソンスタンダードヘの改革のスピードはわが国よりも早い.
2) 国 (官) 主導の医学教育は一部の例外を除き, 途上国や旧社会主義国の形態となりつつある. わが国ではお上が決めるという江戸時代の意識がまだ根強く残っていることが, 韓国との相違点である.
3) 韓国では米国方式のメディカルスクール (4年制医学部) がスタートし, その卒前教育のコアカリキュラムはIIME (Institute for International Medical Education) などの国際基準にもとづいている. 医学教育学の大学院課程も準備中で, わが国よりも早くスタートするであろう.
4) 東京大学医学部とソウル大学医学部の教授数の比較からも理解されるように, 韓国医学部における人的資源はわが国とは比較にならないほど恵まれており, 改革のニーズに対応して増員されている. わが国の人員削減の動きと対照的である.
5) 韓国医学教育学会は1983年の創立で年に2回, 集会が開催される.春の大会は米国AAMCに似たものとなっており, 全国医学部長会議と同時開催で, さまざまなFD活動, 各種委員会の討議があり影響力が大きい.
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