医学教育
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38 巻, 2 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 相澤 好治, 森田 孝夫
    2007 年 38 巻 2 号 p. 73-74
    発行日: 2007/04/25
    公開日: 2011/02/07
    ジャーナル フリー
  • 多田羅 浩三
    2007 年 38 巻 2 号 p. 75-78
    発行日: 2007/04/25
    公開日: 2011/02/07
    ジャーナル フリー
    1) 症状の医学: ヒポクラテスを祖とする西洋医学の第一の特徴は, 症状の詳細な観察を重視したことである.その西洋医学を継承してきた, わが国の医学は, 症状の観察に依拠した医学であった.
    2) 衛生の医学: ヒポクラテスの医学では, 疾病の原因は瘴気にあるとした.フランク, チャドウイック, ペッテンコーフェルらによって, 瘴気とたたかう衛生の医学の基盤が築かれ, わが国でも継承された.
    3) 全数対応の医学: 平均寿命世界一を達成した社会は, 最も多様な健康状態の人たちを包摂する社会である.そのような社会では人々の健康を対象とする, 全数対応の医学が構築されなければならない.
    4) 衛生・公衆衛生大学院の設立: 平均寿命世界一を達成したわが国では, 全数対応の医学を育て, 担う医師や専門職を養成する場として, 衛生・公衆衛生大学院の設立が厳しく求められている.
  • 遠藤 弘良
    2007 年 38 巻 2 号 p. 79-81
    発行日: 2007/04/25
    公開日: 2011/02/07
    ジャーナル フリー
    1) 安心・信頼の医療の確保と予防の重視, 医療費適正化の総合的な推進にはPBMのアプローチが不可欠である.
    2) 医療情報の標準化, 透明化, 電子カルテ・レセプト電子化の推進はPBM推進の環境整備となる.
  • 新しいリサーチ・コミュニティの創生
    福原 俊一
    2007 年 38 巻 2 号 p. 83-88
    発行日: 2007/04/25
    公開日: 2011/02/07
    ジャーナル フリー
    1) Population-based Medicineと臨床研究: 異なる源流を有する2つの医学は, これまで日本の医学界で交わることがなかったが, 100年以上の歳月を経て接点が見いだされようとしている.
    2) 臨床研究とは何か?ともするとTRや治験と同義にされがちだが, アウトカム研究, 薬剤疫学研究, 医療の質研究, 決断分析, 経済評価研究と広大な研究領域を包含している.
    3) 臨床研究をめぐるわが国の動向: 厚生労働省, 文部科学省などが「臨床研究」をキーワードに, 戦略的アウトカム研究, 臨床研究推進事業, 基盤整備事業, 人材育成事業等において, この1, 2年, 動きが急である.
    4) しかるにわが国ではこれまで臨床研究を軽視し, 研究者を育成してこなかったためにこの潮流を活かすことができないでいる.米国は30年以上前より戦略的に臨床研究を担う人材育成をはかっており, その厚い研究者の層が現在の臨床研究の隆盛を支えている.
    5) Population-based Medicineと臨床研究:「頻度」「社会にとって意味のあるアウトカム指標」「その結果が診療や政策を変えるインパクトをもつ研究」など, 両者に共通する価値基準は意外と多い.今後ますます両者は協調して研究を推進すべきである.
  • 高野 健人
    2007 年 38 巻 2 号 p. 89-93
    発行日: 2007/04/25
    公開日: 2011/02/07
    ジャーナル フリー
    1) 以下を検討し, わが国におけるPopulation-based Medicine (PBM) 教育を展望した.a.法的に望まれる医師像, b.社会経済要囚と疾病との関係, c.健康に関わるコミュニティー間の差異, d.効果的で効率的なPBM教育.
    2) 次の重要性を指摘した.a.集団の健康の維持・向上に関わる医師の責務, b.疾病と社会経済的要因との関連性への注目, c.集団の健康特性を把握する手法の開発, d.卒前教育と卒後教育の連携.
    3) 医療の質を高め, 人々のニーズに応じ, 疾病を予防し, 適切な療養を具体的に示すためには, Population-based Medicine (PBM) という視点でのエビデンスの蓄積, public health mindを持った医師養成をめざす医学教育プログラムの導入が必要と考えられた.
    4) PBM教育はわが国の医師育成にとって不可欠のものである.PBMの視点でのエビデンスの蓄積, public health mind を持った医師養成をめざす医学教育プログラムが必要と考えられた.
  • 徳永 力雄
    2007 年 38 巻 2 号 p. 95-97
    発行日: 2007/04/25
    公開日: 2011/02/07
    ジャーナル フリー
    1) PBM教育が必要となっている背景について, 日本の臨床研究や医療, 国民の健康状態, 保健医療行政のニーズを列挙した.
    2) 集団とPBMの捉え方, 過去の保健と医療の関係について概述した.
    3) 卒前および卒後の社会医学教育の課題, 集団基盤の社会医学実習の強化, 社会医学専門教育の体制, PBMの推進に果たす役割について述べた.
  • 1学年・1日・11課題の試み
    鈴木 敬一郎, 成瀬 均
    2007 年 38 巻 2 号 p. 103-110
    発行日: 2007/04/25
    公開日: 2011/02/07
    ジャーナル フリー
    学年全体を対象にAdvanced OSCEの11課題すべてを1日で実施した経験を報告する.評価者58名, 模擬患者5名, 学生ボランティア70名, 事務職員34名を要したが, 無事1日で実施できた.課題の難易度についてはアンケートでは評価者, 学生ともに普通からやや難とする意見が多く, 一部の課題については改善点も指摘された.しかしながら全体的には11課題すべてを1日で実施することが可能であることが示された.
  • 渡辺 賢治, 西村 甲, 石毛 敦, プロトニコフ グレゴリー, 天野 隆弘, 相磯 貞和
    2007 年 38 巻 2 号 p. 111-114
    発行日: 2007/04/25
    公開日: 2011/02/07
    ジャーナル フリー
    1) 世界的に中国伝統医学はよく知られているが, 漢方医学はあまり知られていない.しかし漢方医学はわが国では統合医療として行われており, もっと注目されるべきものである.2) 漢方医学に対する関心の高まりを反映して, われわれはウェブ上での漢方医学の信頼できる情報サイトを構築した.これは漢方医学の基本的な理解とともに最新の情報を盛り込んだサイトになっている.3) 本ウェブ上のバーチャルクラスを介して, 漢方医学の信頼できる有用性と安全性についての情報を世界に発信していきたい.
  • 入学試験MEET/DEETにおける測定領域に注目して
    大澤 公一, 伊藤 圭, 椎名 久美子, 林 篤裕, 田栗 正章, 柳井 晴夫, 齋藤 宣彦
    2007 年 38 巻 2 号 p. 115-118
    発行日: 2007/04/25
    公開日: 2011/02/07
    ジャーナル フリー
    1) MEET/DEETは言語推論・自然科学推論・空間推論の測定領域からなる, 韓国メディカルスクール入学者選抜試験として開発された客観形式の共通試験であり, 2004年8月29日に第1回試験が実施された.
    2) 言語推論では言語的思考能力やコミュニケーション能力, 自然科学推論では自然科学の学術知識を土台とした思考能力, 空間推論では歯科医に求められる臨床実践の適性としての空間能力を測定する
    3) 学科試験偏重の入学試験に対する反省から, 入試での測定の必要性が強調されている倫理観や協調性, コミュニケーション・スキル等の対人関係能力をどう測定するかが, 今後の課題であろう
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