1)ロンドン大学King’s College医学部は,各学年約470名の学生が在籍する5年制の医学部(一部学生は6年制,また学士編入による4年制も導入)で,学生数は英国最大規模である.そのカリキュラムは,General Medical Council刊行の“Tomorrow’s Doctors(2009)”に記載された基準を満たすべくデザインされている.
2)基礎医学と臨床医学を統合したカリキュラムとなっていて,入学直後から患者と接する機会があり,授業は症例のシナリオを用いて行われる.臨床倫理討論や多職種間教育も1年生から開始される.
3)病棟実習は3–5年生で行われ,3,4年次は主にBedside Teaching方式が取られるが,最終学年の5年生ではクリニカル・クラークシップ(内科8週間,外科8週間,診療所8週間)が行われる.
4)臨床実習の18%は地域で行われ,診療所のGeneral Practitioners(GP医)が指導医として大きな役割を果たしている.地域の特性を知り,患者や地域の健康度を上げる取り組みのできる医師育成を目指して,5年間を通して地域医療実習が行われ,充実したヘルス・プロモーション教育を提供している.
5)実習プログラムは医療機関間で多少異なる可能性があるが,Logbookを活用し,筆記試験やOSCEsを用いた評価法で学生の到達度を確認している.
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