医療者教育の目的が, "優れた医療" を提供する医療者を育成することであるならば, 現在の医療者教育は非常に多くの課題を残している. なぜなら, "優れた医療" の実践の前提となる患者との深い相互理解, 医療者の自己理解, および人間理解について, 十分に言語化されておらず, 教育の方法も整理されていないからである. 一方で, 1999年にJAMAに投稿された「マインドフル・プラクティス」は, マインドフルネスを利用した教育が人間性教育の発展と医療者の医療の質を変える可能性を示唆し, その後, その教育が北米や欧州にて大きな広がりを見せている. 本稿では, 米国ロチェスター大学を中心に実施されている「マインドフル・プラクティス」による教育アプローチを紹介し, 医療者教育の素材としてどのように活用されうるかを議論する.
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