診療参加型臨床実習を導入し, より効果的な実習に改善していくためには, 運営を各診療科の裁量に全面的に委ねるシステムの代わりに, 学生の診療参加に対応できる新たな教育体制を整備して取り組む必要がある. その際に, (1) 医学部として組織的に取り組むこと, (2) 教育機能をもった診療体制を整備すること, (3) 診療に参加することに対する学生の自覚と指導医, 診療チーム, 病棟職員などの理解を促すことなどが重要である. これらを満たす教育体制をつくるために, 医学部長, 教授会, 教務委員会, 事務部, 医学教育ユニットなどの教育組織, 各診療科における臨床実習企画運営責任者, 指導医, 研修医, 学生などが果たすべき役割について提言する.
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