医学教育
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44 巻, 4 号
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原著
  • 向原 圭, 宮田 靖志, 斉藤 さやか, 郷間 厳, 宮崎 仁
    2013 年 44 巻 4 号 p. 219-225
    発行日: 2013/08/25
    公開日: 2015/07/06
    ジャーナル フリー
      研修医教育に対する製薬企業からの支援とそれを取り巻く状況の実際について明らかにするため,初期臨床研修プログラム責任者445名を対象とし,自記式調査票を用いた横断調査研究を実施した(回答率76%).
    1) 回答者の51%が企業からの支援は教育に必要であると考えており,28%が企業からの支援が処方行動に良くない影響を与える可能性について否定的であった.
    2) 企業との関係についてのカリキュラムを有しているプログラムは12%であり,医薬情報担当者(MR)との面会を禁止しているのは10%,贈答を禁止しているのは30%であった.
    3) 51%が,研修医のための製薬企業が支援する院内教育イベントが存在するとし,73%が,研修医が参加可能な製薬企業が支援する院内教育イベントが存在するとした.
    4) 企業からの支援は教育に必要であるとプログラム責任者が考えていることは,企業からの支援が存在することの予測因子であった.
  • 北川 信一郎
    2013 年 44 巻 4 号 p. 227-235
    発行日: 2013/08/25
    公開日: 2015/07/06
    ジャーナル フリー
    目的 : 公衆衛生医師の経験学習に焦点をあて,その熟達化の過程を明らかにする.
    研究方法 : 10人のExpertを対象に,仮説探索型研究をおこなった.インタビューの分析には,グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた.
    結果 : 学生時代では,先輩医師から公衆衛生の重要性を,臨床医時代には,患者との関わりからプライマリ・ケアについて学んでいた.また,公衆衛生医師として,13の経験から11の教訓を学んでいた.
      一方,公衆衛生マインドは,自己関連,患者関連,社会関連,組織関連の4つの信念のカテゴリーからなり,特に,社会関連の信念がコアとなっていた.
    結論 : 特有の経験学習が明らかとなった.熟達論および経験学習の観点から考察した.
  • ―「医師の生涯教育・復帰支援に関するアンケート調査」より
    井手野 由季, 菊地 麻美, 田村 遵一, 坂本 浩之助, 和泉 孝志
    2013 年 44 巻 4 号 p. 237-242
    発行日: 2013/08/25
    公開日: 2015/07/06
    ジャーナル フリー
    【背景・方法】復帰支援のニーズを明らかにするため,臨床医を対象に,自記式調査票を用いた調査を実施した.
    【結果】臨床を離れた経験を有する医師は女性の方が多く,その理由の大半が「出産・育児」であった.また,臨床への復帰に際して7割以上が不安を感じており,不安の程度に男女差はみられなかった.「薬剤」「技術・理論の変化・進歩」「技術・手技」は,復帰後に困った内容として多くあげられた.事前準備として「手技の確認・実践トレーニング」をしておきたかったという意見もあった.
    【考察】臨床から離れた医師の復帰のためのニーズが明らかになった.実際に利用しやすいシステムを構築・運用していく必要がある.
総説
  • 菊川 誠, 西城 卓也
    2013 年 44 巻 4 号 p. 243-252
    発行日: 2013/08/25
    公開日: 2015/07/06
    ジャーナル フリー
    ●代表的な学習方略について事例を添えて概説する.
    ●講義は,大人数を対象にする場合,多くの情報を系統だって提供できる利点がある.
    ●問題基盤型学習とは,能動的小グループ学習による現象の提示(シナリオ)を学習のきっかけとする学習方略である.
    ●早期臨床体験実習は,医学部入学後,比較的早期に現場を体験させる実習である.
    ●医療安全の観点からシミュレーション教育の重要性が増してきている.
    ●参加型臨床実習と卒後臨床実習は,認知的徒弟制と正統的周辺参加論を理論的背景にしている.
    ●継続的専門能力開発を考える上で,省察的実践家という概念が有用である.
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