医学教育
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44 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
特集
  • ―General Medical Councilにおける教育質保証の取り組み―
    柴原 真知子, 錦織 宏, 中村 真理子, 鈴木 俊哉, 武田 裕子, 小西 靖彦, 福島 統, 奈良 信雄
    2013 年 44 巻 2 号 p. 63-70
    発行日: 2013/04/25
    公開日: 2015/07/06
    ジャーナル フリー
    背景 : 医学部の国際認証の議論が進む中,日本における教育認証評価機関のあり方を具体的に検討することが求められている.
    方法 : GMC(英国医事委員会)で教育質保証が導入された経緯と具体的なプロセスについて,英国調査をもとに明らかにする.
    結果 : 2003年を境にGMCにおける教育質保証は,「点検型」から「対話型」へ移行した.現在では,各医学部がGMCと関わりながら,自らの教育改善・向上に継続的に取り組むことの促進が中軸となっている.
    考察 : GMCの教育質保証は,(1)医学部が自らの教育の現状を理解し,改善・向上への強いインセンティブとなっている点,(2)「何のための教育質保証なのか」への共通認識を構築することがその基盤となっている点は,日本への積極的示唆となる.一方で,膨大なコーディネート業務を行う体制整備が課題となる.
教育実践研究
  • 前田 正信, 羽野 卓三
    2013 年 44 巻 2 号 p. 71-76
    発行日: 2013/04/25
    公開日: 2015/07/06
    ジャーナル フリー
    背景 : 本研究の目的は,医学部学生の生理学筆記試験の成績がどのように変化しているかを調べ,試験の成績が入学定員増とどのような関係であるか明らかにし,入学定員増後の医学部学生の試験の成績よりみた学力低下が実際に生じている根拠を与えることである.
    方法 : 医学部の入学定員増以前の学年,定員増以後の学年の生理学筆記試験の成績の平均値,標準偏差,平均値+標準偏差,平均値–標準偏差,学生数,不合格者数,学生数に対する不合格者の割合を調べた.
    結果 : 医学部学生の試験の成績は入学定員増以後に有意に低下していることが明らかとなった.
    考察 : 医学部学生の試験の成績よりみた学力低下は入学定員増が関与していると考えられる.
短報
  • 渡部 健二, 和佐 勝史, 濱崎 俊光, 河盛 段, 樂木 宏実, 奥村 明之進
    2013 年 44 巻 2 号 p. 77-83
    発行日: 2013/04/25
    公開日: 2015/07/06
    ジャーナル フリー
    背景 : 大阪大学は平成23年度より卒業試験を廃止し,臨床能力を総括的に評価する新しい試験を導入した.
    方法 : 新しい試験では,診療における問題解決の過程を再現するシーケンシャルシナリオを作成した.評価者はシナリオに沿って病棟回診と同じような口頭試問を受験生に対して行ない,態度,知識,思考に基づいて臨床能力を評価した.試験終了後にアンケートを行なった.
    結果 : 試験は円滑に実施された.試験後のアンケートにおいて評価者の約9割,受験生の約6割は本試験の意義を肯定的に回答した.
    考察 : 今回の試みは主に評価者に好意的に受け入れられた.今後の課題は,パフォーマンスに基づく試験の導入である.
掲示板
連載企画
総説
  • 西城 卓也, 田川 まさみ
    2013 年 44 巻 2 号 p. 90-98
    発行日: 2013/04/25
    公開日: 2015/07/06
    ジャーナル フリー
    1)医学教育に携わる人が備えるべき能力について先行文献を要約した.また日本の医学教育に関わる人にとって必要な能力とその向上について俯瞰的に提示した.
    2)医学教育能力は自然と身についている素質ではなく,学び,獲得される能力である.教育能力を明確にすることで,それをアウトカム基盤型教育の教育到達目標とした教育プログラムを構築することができる.また学習成果としてその能力を評価することにより医学教育の質的保証が可能となる.
    3)求められる教育能力の領域は,実践能力・評価能力・設計能力・推進能力の4つに分類される.その教育能力の向上には,日々努力する継続的専門能力開発と学究的活動が要求される.
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