1. 糖類の溶液にTillmans及SórensenのOrcin-硫酸法を試みれば加温反應時間に應じて色調と色度とは變化するが此の變化は各種の糖類によつて特異的ぶある.
2. 此の特異的な變化はセシウム光電管を装備せる光電光度計によつても測定し得られることを證明した.
3. Glucose, Mannose, Galactose, Fructose, Arabinose, Xylose, Rhamnose等についてOrcin-硫酸法を試みた時の色調と色度との反應時間的變化を時間曲線と對比曲線にて示し,然る上,兩曲線の形状並に對比曲線の位置は何れも糖の種類によつて特異的であるが故に此の兩曲線によつて糖の種類を識別定性し得ることを示した.のみならず供試液が多糖類又は2-3の別種糖類を含む場合にも單糖類の特異的時間曲線と對比曲線とが夫々加成的に表はれるが故に本法によつて自然物中の微量糖類の定性を正確になし得ることを示した.
4. Orcin-硫酸法による呈色度は反應時間を一定(20分)にすれば供試糖量(1cc中0.04-0.20mg)に比例することを確め得た.夫故に此の呈色度を光電光度計にて測定して各種の糖類又はその混合物の濃度曲線を作成すれば各種の微量糖類を定量することも可能であることを示した.
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