日本化學會誌

オレフィンの無水鹽化アルミニウムに依る重合の研究(第五報)

無水鹽化アルミニウムに依るオレフィンの活性化並に重合機構に就て(其の二)

淺岡忠知

1943 年 64 巻 7 号 p. 931-936
発行日: 1943/07/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.931

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オレフィンの鹽化アルミニウムに依る重合の機構等に就て研究したが,本報は其の實驗に關する記載である.

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液體の粘度に對する電場の影響に就てII

木村修

1943 年 64 巻 7 号 p. 937-940
発行日: 1943/07/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.937

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1) 特殊な粘度計を用ひ種々の液體の粘度に對する電場の影響を研究せり.
2) 粘度に對する電場の影響は無極性液體では全く無く,双極子能率力を持つ液體では概して能率の大なる程影響は大である.

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本邦西部の温泉の地球化學的研究(第七報)

二三の温泉のラドン含有量

岩崎岩次, 浮本勇, 家吉實

1943 年 64 巻 7 号 p. 941-946
発行日: 1943/07/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.941

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昭和16年5月以降島根縣,廣島縣,福岡縣及び熊本懸の各地方に於ける温泉約20個所に就て温泉及び温泉ガスのラドン含有量を時期を異にしたものに就ても測定した.その結果に依れば
1) 福岡縣長垂山のペグマタイト地方に湧出する温泉のラドン含有量は餘り大きくはない.
2) 一般に温泉中のラドン含有量は變化してゐるものであるが,熊本縣阿蘇湯の谷温泉泡哮地獄の温泉ガス中のラドン含有量はその噴出週期の時期に依り,極めて規則的な變化を示す。尚この温泉の温泉ガス中のラドン含有量は温泉中に溶解してゐるラドンとの平衡量の約8倍に達してゐる.

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有機硫黄化合物の研究(第七報)

チオ尿素フォルマリン縮合物より對應酸素化合物の抽出(II)

今津績

1943 年 64 巻 7 号 p. 947-952
発行日: 1943/07/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.947

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鹽酸酸性に於て,チオ尿素フォルマリン反應比1:0.5乃至1:5の可成り系統的な粉末状樹脂と,アルカリ性過酸化水素との反應に依り
1. 水不溶性對應酸素化合物
2. 蟻酸加里及び未知物質を主成分とする飴状物質.が得ちれた.
之等の各抽出物の性質を究明する事に依り,原縮合物の組成に就て論及した.

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ヘキセン-(3)の重合に依る潤滑油の合成

淺岡忠知, 福井憲二, 小竹無二雄

1943 年 64 巻 7 号 p. 953-956
発行日: 1943/07/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.953

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鹽化アルミニウムを觸媒としてへキセン-(3)を重合せしめてStanavo No.120程度の粘度を有する合成潤滑油を得る事が出來た.此の重合反應の條件等に就て研究した.

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緑葉カタラーゼの研究(第二報)

緑葉内に於るカタラーゼ阻害物質の存在及び生成

林喬, 樫本克彦, 明渡千鶴子

1943 年 64 巻 7 号 p. 957-961
発行日: 1943/07/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.957

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冬期に於る常緑樹葉の中,カタラーゼ作用微少なるものにカタラーゼ阻害物質の存在する事を明らかにした.又蔬菜類も煮沸又は老化によりカタラーゼ阻害物質を生成する.

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炭化水素及び其の置換體の分子論の研究(第八報)

ニクロルエタンの液體の透電恒數と廻轉異性體の混合比

渡邊格, 水島三一郎, 益子洋一郎

1943 年 64 巻 7 号 p. 962-966
発行日: 1943/07/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.962

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交流電源の透電恒數測定裝置を組立て,それによつて1,2-ニクロルエタンの液體の透電恒數を測定した.而して種々の温度に於ける實測値と廻轉異性體(トランス形及び中間形)の混合比との關係を論じた.尚液體に於ける廻轉異性體の混合比は氣體に於けるものと大いに異るが,それに對する簡單な理論的考察をも行つた.

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樺太産偃松實油の成分に就て

長谷部昇

1943 年 64 巻 7 号 p. 967-968
発行日: 1943/07/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.967

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樺太敷香オタス杜産偃松實を粉碎し,エーテル抽出法に依り油を採取,一般性状を檢討し,次で鹸化後5N硫酸にて分解して得たる脂肪酸をメチルエステルとなし,之を減壓蒸溜に附し成分檢索を行へり.固體酸としてはパルミチン酸,ステアリス酸の存在を知り,液體酸としてα-リノール酸,オレイン酸及びα-リノレン酸の存在確證し,殊に液體酸中α-リノール酸最も多量に含有せらるることを認めたり.

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本邦西部の温泉の地球化學的研究(第八報)

廣島縣の温泉のラドン含有量

松浦新之助, 村上壽人, 田多千賀夫

1943 年 64 巻 7 号 p. 969-971
発行日: 1943/07/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.969

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1) 廣島縣下の温泉13ヶ所のラドン含有量を測定した.
2) これ等の温泉はすべて泉温低く,所謂鑛泉又は鑛泉に近いものである.又蒸發殘滓はすべて1.0g/l以下にして單純泉に屬する.
3) ラドン含有量は一般に顯蓍で殊に廣島縣西端部の一群の温泉に於て著しい.最も大きなものは潮原鑛泉で65マツへに達する.

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ヂフェニレンヂオキシド核の酸化白金觸媒による接觸還元的開裂に就て

ヂフェニレンヂオキシド誘導體の研究第十七報

富田眞雄, 谷千秋

1943 年 64 巻 7 号 p. 972-975
発行日: 1943/07/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.972

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ヂフェニレンヂオキシド核の開裂は一般には容易に行ひ得ないものであるが,著者等は酸化白金觸媒の下に常温常壓に於る接觸還元に依り開裂することを知つた.

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海洋に關する化學的研究(第十六報)

分光分析法によるセシウム檢出の限度に就て

原田保男

1943 年 64 巻 7 号 p. 976-980
発行日: 1943/07/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.976

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1. 閃光スペクトル法.噴霧閃光スペクトル法.孤光スペクトル法,陰極層孤光スペクトル法によるセシウム檢出の最少限量を測定した.
2. 上記諸法の内陰極層孤光法が其の感度に於て最も優秀なる事を示した即ちセシウムの檢出限量2.6×10^-2mgを得た.
3. 陰極層孤光法にてセシウムの檢出を行ふに際し,共存する過量の他アルカリ元素は其の鋭敏度を約8倍に増加せしめる事を知つた.即ちこの時セシウムの檢出限量は3×10^-3mgである.

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コレステリルアセテートに對する次亞鹽素酸の附加とコレステリンβ-オキサイドの簡易合成法に就て

毛利駸

1943 年 64 巻 7 号 p. 981-985
発行日: 1943/07/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.981

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コレステリルアセテートに次亞鹽素酸を附加し,生成せる5-クロローコレスタンヂオール-(3β, 6β)-3-モノアセテートを酒精加里又は醋酸加里にて處理する事に依り,從來其生成甚だ複雜困難なりし純粹なるコレステリンβ-オキサイド又は其アセーテートを簡單に合成する事に成功した.

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氣體を吸着せる表面に低速度電子を衝撃せる時に生ずるイオンの研究(II)

太田芳雄

1943 年 64 巻 7 号 p. 986-990
発行日: 1943/07/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.986

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前報につづき種々な氣體を吸着せしめたる際に電子衝撃により生ずるイオンを研究し.吸着表面からイオンの飛出すのは特殊なる揚合で而もこの電離に要するエネルギーは氣相の電離電壓よりも高い事を發見した.即ち水素,水,及び酸素は普通の状態で吸着しても電子衝撃により表面からイオンを出さないが,水及び酸素はニッケル面上に或適當な状態に吸着した時始めて表面からイオンを放出する.

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原子固有振動數の新實驗式

杉田正生

1943 年 64 巻 7 号 p. 991-994
発行日: 1943/07/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.991

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水晶に依る金屬錯鹽の不齊選擇吸着(第二報)

不齊選擇吸着と錯鹽の立體配置

黒谷壽雄, 相見正典, 槌田龍太郎

1943 年 64 巻 7 号 p. 995-998
発行日: 1943/07/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.995

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數種のコバルト錯鹽及び有機物に就き水晶の粉末を吸着劑として不齊選繹吸着實驗を行つた結果,金屬錯鹽の吸着能はその立體配置に依つて左右されることを認めた.從つて斯る吸着法を立體配置決定の一手段として用ることを知った.

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糖分解の研究(第七報)

(其一)弱アルカリによる三,四,五,並に六炭糖の三員炭素化合體及びディアセチールへの分解

後藤良造

1943 年 64 巻 7 号 p. 999-1007
発行日: 1943/07/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.999

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弱アルカリによりて三,四,五,メチル-五,並に六炭糖を分解せしめ
i) 六炭糖,メチル-五炭糖並に五炭糖よリアセトール(CH₃COCH₂OH)を生成し四炭糖並びに三炭糖より生成せざること.
ii) メチル-雪炭糖 (ラムノーゼ)に於て大量のアセトールを生成すること.
iii) 乳酸並にディアセチール(CH₃CO・CO・CH₃)が六,メチル-五,五,四,並に三炭糖のいづれに於ても生成し來ることを,確認しこれら糖分解の機構に釋明を加へたり.¹⁾

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アセトン・ブタノール醗酵の高沸點生成物(第二報)

ブタノール油の中性成分(其二)

藤田安二

1943 年 64 巻 7 号 p. 1008-1013
発行日: 1943/07/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.1008

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前報に引き續きアセトン・ブタノール醗酵の高沸點中性成分の檢索結果を述べる.

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正誤

1943 年 64 巻 7 号 p. 1013
発行日: 1943年
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.7_1013

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アセトン・ブタノール醗酵の高沸點生成物(第三報)

ブタノール油の酸性成分

藤田安二

1943 年 64 巻 7 号 p. 1014-1015
発行日: 1943/07/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.1014

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本報に於てはアセトン・ブタノール醗酵の高沸點生成物中の酸の組成に就て述べ,所謂ブタノール油の全組成に論及する.

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液面氣泡の壽命に就て(第二報)

不溶性物質の單分子膜に蔽はれたる水面上の氣泡の壽命

伊勢村壽三

1943 年 64 巻 7 号 p. 1016-1023
発行日: 1943/07/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.1016

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水に不溶性の物質の水面上に作る單分子膜と液面氣泡の壽命との關係を,氣泡壽命の測定と同時に表面壓一面積曲線を測定する事に依り膜の性質との關聯に於て之を明らかにせんとした.測定温度で凝縮膜或は液體膨脹膜を與へる種類の物質と氣體膜或は蒸氣膨脹膜を與へる種類の物質とでは,その安定度一面積曲線に極めて顯著な差異があらはれる.即ち前者に於ては表面壓が用ゐた表面壓力計(感度0.1ダイン/糎)に感じうる程度に達するに非ざれば液面氣泡は安定化せられず,表面壓2～5ダイン/糎程度に於て最大壽命を與へるやうになる.然るに後者に於ては表面壓が極めて低く分子が未だ完全に表面を蔽ひ難い状態より液面氣泡安定化に寄與するものなる事が認められる.
之等の單分子膜の液面氣泡安定化の機構に就き考察し,單分子膜の機械的なる強さ,單分子膜を構成する分子の易動性,並に單分子膜の二次元的均一性が液面氣泡の安定化に重要なる事を推諭した.

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樟牛油の研究(第五報)

高沸點部に就て

内藤力

1943 年 64 巻 7 号 p. 1024-1028
発行日: 1943/07/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.1024

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樟牛油の高沸點部の成分を檢索し酸性部より飽和一鹽基酸C₁₀H₁₈O₂F₀を得てショウギュウ酸と命名せり.中性部よりd-カヂネン,ビサボレン,α-力ムフォーレン,γ-力ムフォ一レンの他に構造不明の二種のセスキテルペンC_l5H₂₄F₃(α-ショウギュウエン), C₁₅H₂₄F₁(β-ショウギュウエン)を得て夫々特徴ある鹽化水素附加物を結晶として得たり.

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ベニヒオール(d-ヂヒドロミルテノール)及びベニヒノール(d-ミルテノール)の數種の反應に就て(其三)

瀬邊惠鎧

1943 年 64 巻 7 号 p. 1029-1034
発行日: 1943/07/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.1029

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α-ピネンとクロミルクロリドの附加物を分解してイソカンフェニランアルヒド,ペニヒアール,ミルテナール,ベルベノン,ベルバノン等の生成を確め得たり.

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