1. テルルが如何なる状態にあるを問はず含テルル粉末試料を熱硫酸にて處理し,全テルルを先づTe(SO
4)
2に變へて溶解せしめ次に銅粉を作用せしめて還元しTeSO
3となして呈色せしむる方法を提出せり.
2. 呈色率は主として銅粉との作用放置時間により相違あれ共80~95%に及び,檢出限量はテルル0.0005mgなり.
3. 從来の法に於て著しき妨害を與へたる鑛石中FeSの共存は本法にては而かく其の檢出を妨害せず.
4. 本檢出法に對する妨害作用の有無に關し,共存する多種の金屬鹽につき其の影響を見たり.
5. 三酸化硫黄テルルの組成をTeSO
3なりと確かめ且つこのものと濃硫酸との反應,テルルと濃硫酸及び發煙硫酸との反應機作を説明せり.
6. 酸化劑及び還元劑によるTe (SO
4)
2, TESO
4, TeSO
3及びTe等の可逆的變移を説明し,從つて可逆的呈色並びに脱色の理を明かにしたり.
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