日本化學會誌
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54 巻, 5 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 各種蛋白中の糖含量に就いて
    近藤 金助, 村山 仁
    1933 年 54 巻 5 号 p. 351-363
    発行日: 1933年
    公開日: 2009/12/22
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    (1) Orcin硫酸液に微量な糖類を加へて加熱した時に生ずる呈色反應を利用すれば供試液1cc中に存在する0.1-0.4mgの糖類を定量し得られることを確め,更に此の方法は蛋白内の微量糖類の定量にも應用し得られることをも確めた.
    (2) 從つて此のOrcin硫酸液による比色法によつて動植物性蛋白15種中の糖類量を葡萄糖として定量した.もとより蛋白中の糖類量は蛋白の單離精製法によつて影響せられるが故に供用蛋白を單離した操作を要録した.
    (3) 供用した蛋白は何れも精製度が相當高いものであつたにも拘はらす,少なきは0.5%多きは5.5%の割合に於て糖類を含有して居つた.
    (4) 蛋白中の糖類はその蛋白を含む自然物料中の糖類と密接なる關係を持つことを明らかにし併せて蛋白中の糖類の本質を推定した.
    (5) 單離精製した蛋白中に糖類が存在する原因に就ては二つの場合を考へて見た.一つは單に機械的に夾雜する場合であつて蛋白を單離する際に用ふる溶媒内で糖類も亦蛋白と行動を共にするからである.而して此の種の糖類は蛋白の精製操作を反復すれば減退せしめ得ることを例示した.
    (6) 他の一つは蛋白と會合して居る場合である.此の會合は蛋白の基成分と糖類分子との間に行はれるのであつてその原因はイオン間引力又は多極性能に基く副化合能である.而して此の副化合能即ち會合力は蛋白の種類,溶媒の性質状態等によつて強弱の差が連續的であるが其の強きものは自然界に於て蛋白が基成分から集成せられる時に既に或る基成分と糖類とを強く會合せしめてあるが故に精製操作を反復しても此の糖類は蛋白から脱落しないのである.夫故にかゝる糖類は事實上蛋白構成の一因子であると考へるべきである.
  • 加福 均三, 小山田 太一郎, 西 益良
    1933 年 54 巻 5 号 p. 364-366
    発行日: 1933年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
  • 石丸 三郎
    1933 年 54 巻 5 号 p. 367-369
    発行日: 1933年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
  • 石丸 三郎
    1933 年 54 巻 5 号 p. 370-376
    発行日: 1933年
    公開日: 2009/12/22
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  • 酵素の動物體(バウシウボラ)内に於ける分布に就て
    左右田 徳郎, 服部 親宏
    1933 年 54 巻 5 号 p. 377-378
    発行日: 1933年
    公開日: 2009/12/22
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  • 村田 房一
    1933 年 54 巻 5 号 p. 379-385
    発行日: 1933年
    公開日: 2009/12/22
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  • 生體蛋白の彷徨變異に就て(其の一)
    近藤 金助
    1933 年 54 巻 5 号 p. 386-398
    発行日: 1933年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    1. 生體及びその生産物中の蛋白が可變性であることを蛋白の成分團説に據つて立論し生體蛋白の變異には彷徨變異と相對變異との二種あることを記述した.
    2. 同一の生體又は其の生産物から所謂同一方法を用ゐて蛋白を單離しても全く同一な蛋白を單離することは不可能であることを蛋白の成分團設によつて立論した.
    3. 以上の立論を證明する爲めに岡山縣農事試驗場産の小麥“江島神力”を岩手,千葉,愛知,京都,岡山,愛媛,佐賀,鹿兒島のS府縣農事試驗場にて栽培し其の收穫小麥から同様な方法によつてGliadin及びGluteninを單離した.
    4. 各地にて收穫した小麥“江島神力”の一般成分1000粒の重量及び容積等を檢査した結果同一品種の小麥も栽培條件の差異によつて小麥の品質即ち理化學的性質が著しく異なることを實驗した.
    5. 小麥蛋白研究の歴史を概説しGliadin及びGluteninは小麥の胚乳中に存在しLeucosin, Globulin及びProteoseは小麥胚中に存在することを示した.
    6. 單離したGliadins及びGluteninsの含糖類量及び含窒素量を定量した結果は小麥の産地毎に微量ではあるが差異を示した.
    7. 此の差異は全く小麥の栽培條件即ち小麥蛋白の生成條件の差異に原因する所の小麥蛋白の彷徨變異と單離操作の微かなる差異に歸すべきことを詳述して生體蛋白には彷徨異性があると云ふ筆者の學説を證明した.
    8. 此の結果によれば異品種の小麥はもとよりのこと同一品種の小麥も栽培條件の差異によつて小麥の品質即ち實用價値を異にするがその原因は小麥り主要蛋白である所のGliadin及びGluteninの本質が夫々相違するためではなくして全く量的變動のためであることが明瞭となつた.このことは一般の生物及びその生産物に就ても同様であらう.
    本實驗に用ゐた小麥の品種裁定と栽培は竹崎教授の御配慮を受け又並河,木原兩教授からは有用なる御助言を得,又繁雜にして多くの勞を要する所の蛋白の單離精製,窒素並びに糖類の定量は林常孟氏,村山仁氏,山田孝雄氏,岩前博氏等の助力によつたのである.記して諸氏に對して謝意を表す.
  • 生體蛋白の彷徨變異に就て(其の二)
    近藤 金助, 山田 孝雄
    1933 年 54 巻 5 号 p. 399-409
    発行日: 1933年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    1. S地方に栽培したる同一品種の小麥“江島神力”から單離した8種のGluteninsを0.05NaOH液に溶解して屈折率を測定してNitrogen Equivalent Refractivity“μ”を算出した.
    2. その結果はGluteninsの種類によつて“μ”の値が夫々相違して居るのみならず同一Gluteninの“μ”もGluteninの濃度によつて相違して居るものが多いことを見出した.
    3. けれども“μ”の値がGluteninsの種類によつて相違して居るのは單離操作の避くべからざる差異とGluteninsの彷徨變異とに原因するのであつて此等のGluteninsが本質的に相違して居る爲めでないことを考證した.
    4. 蛋白の性質は酸,アルカリ,其の他鹽類等に對して感受性が強い故に單離操作の僅少なる差異は蛋白の性質表現に顯著なる相違を來すのである.このことをGluteninに就て例示することによつて蛋白の變動的性質の表現の相違を以て蛋白の本質的相違の證となしてならないことを暗示した.
  • 宮本 進
    1933 年 54 巻 5 号 p. 410-417
    発行日: 1933年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
  • 岩村 新
    1933 年 54 巻 5 号 p. 418-421
    発行日: 1933年
    公開日: 2009/12/22
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