(1) 冷壓エゴ油をÄthylenglgkol-monoäthylätherを溶媒に用ひ苛性カリを以て冷時鹸化を行ひ得たるエゴノールを注意して再結晶したが結局光學的不活性エゴノールに到達した.
(2) Styraxinolsäure-Brucin鹽を造り之をアムモニア水で冷時鹸化を行ひ再び光學的不活性のStyraxinolsäureに到達した.
(3) 以上の實驗結果よりエゴノールの構造式としては不齊炭素原子を有せざるI′式の可能性が濃厚になつて來た.しかしエゴノールに於てはラセミ化を起し易い不齊炭素原子を保有すとなすべき原子配置をも合せて考慮せねばならぬから構造式の正確なる決定は今後の研究に俟つ.
(4) エゴノールは水酸基の水素以外に尚1個の炭素に直結せる活性水素原子を保有することを檢出し得た.
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