日本化學會誌
Online ISSN : 2185-0909
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62 巻, 3 号
選択された号の論文の19件中1~19を表示しています
  • 野津 龍三郎, 國近 三吾, 西村 英二
    1941 年 62 巻 3 号 p. 179-182
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
  • ヒスチヂンの中間代謝物に就て(第一報)
    赤堀 四郎, 於勢 眞輔, 金子 武夫
    1941 年 62 巻 3 号 p. 183-185
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    著者等は轉化糖より4(5)-Oxymethylimidazolを製造しこれを酸化してImidazol-4(5)-aldehydとなし,マロン酸と縮合してImidazol-4(5)-methyliden-malonsäureを得,これをピリヂン中に加熱して脱炭酸を行ひウロカニン酸を合成することが出來た.
  • 桐(Paulownia imperialis)材のリグニンに就て
    岩垂 孝一
    1941 年 62 巻 3 号 p. 186-189
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    リグニンを大別すれば2種類に分れる.即ちその構成因子としてSyringyl基及びGuaiacyl基の兩方を含むもの及びGuaiacyl基のみを含むものとがある.而して一般に前者は硬材のリグニン,後者は軟材のリグニンと呼ばれて居る.併し桐の如き極めて柔かい木材のリグニンもSyringyl基を含み,且つその他の性質も所謂硬材に類似して居る.故に木材のリグニンを硬材,軟材によつて分類することは不適當である.恐らく例へば濶葉樹,針葉樹によつて區別されるべきものと考ヘられる.
  • 環を含むポリアミド(I)ポリチクロヘキシレン-1, 4-アディパミド
    星野 孝平
    1941 年 62 巻 3 号 p. 190-193
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    1.4-二アミノーチクロヘキサンを合成してアディピン酸と重合させた.生成物殊にトランスーヂアミンからのポリアミドは融點が高過ぎて熔融紡絲は困難であつた.又このヂアミンと二硫化炭素からポリチオウレインを合成した.
  • 小泉 瑛一
    1941 年 62 巻 3 号 p. 194-198
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
  • 高温に於ける固體反應に關する研究其六
    田中 泰夫
    1941 年 62 巻 3 号 p. 199-203
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    石灰と酸化錫との間にはCaO・SnO2及び2CaO・SnO2なる二つの附加化合物の存在する事を明かにした. CaO・SnO2は從來等軸晶系なりとされてゐたが,正しくは斜方晶系としてa=3.93Å, b=3.99Å, c=3.87Åを與ふべきである.
    この系の固體反應に於ける最初の生成物はCaO・SnO2に過剰の酸化錫の含また固溶體にして,反應の進行と共に次第にCaO・SnO2となり,更に過剰の石炭の存在する時は2Ca0・SnO2を生ずるに至る.この反應の速度は擴散に依つて支配されるものと見られ,石灰の反應量に就て950~1100°に於けるその活性化エネルギーを求むれば85kcalとなる.
    之等の結果を既に得たるMgo-TiO2, CaO-TiO2及びMgO-SnO2系の固體反應の結果と比較考察した.
  • 熔融蒼鉛の蒸氣壓と其の蒸氣の分氣量測定
    吉山 昌男
    1941 年 62 巻 3 号 p. 204-207
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    1) 第一報1)と略同様の装置を用ひて640~700°Cの温度範圍で熔融蒼鉛の蒸氣壓並びに其の蒸氣分子の原子數を決定した.蒸氣分子の平均原子數は該温度範圍で1.607~1.484の値を見出し,從つて該蒸氣相内ではBi2〓2Bi平衡があることを確めた.
    2) 測定結果を用ひて次の熱力學的數値を算出した.
    蒸發熱:ΔH943.1°=47.3kcal/mol
    蒸發遊離エネルギー變化:ΔF943.1°=9.6kcal/mol
    Bi2分子の解離度: α943.1°=0.296
    Bi2分子の有する分壓: p943.1°=3.256×10-3mmHg
    Bi 分子の有する分壓: p943.1°=2742×10-3mmHg
    Bi2分子の解離恒數: K943.1°=3.041×10-6,解離熱:ΔH943.1°=69.9kcal/mol,
    解離遊離エネルギー變化:ΔF943.1°=23.8kcal/mol.
  • 低温度に於ける放電に因る弗素又は二一弗化酸素(OF2)と酸素との反應
    青山 新一, 櫻場 周吉
    1941 年 62 巻 3 号 p. 208-213
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    先に液體窒素の温度に於て液體弗素と液體酸素との混合液體に紫外線を照射する時液體中に赤褐色の針状結晶の化合物の發生する事を認め新しい弗素と酸素と化合物O3F2であることを報告せり.1)依つて液體弗素と液體酸素間の光化學反應機構を究めんとする目的の一端として表題の如き研究を爲せり.
  • アルカリ金屬を中心イオンとする錯鹽の生成
    久保田 正雄
    1941 年 62 巻 3 号 p. 214-219
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    (1) 高濃度に苛性アルカリを共存せしめたマンニット或はブリセリン水溶液の吸收を測定し,振動數85×1013-1附近と112×1013-1附近に都合二つの吸收帯を認めた.前者は生成せるアルカリ金屬錯鹽のアルカリ金屬を中心とする結合に基因する所謂金屬錯鹽の第二吸收帯と考へられ,後者は錯鹽中に配位せるオキシ化合物の-OHの酸素原子を中心とする結合に基因するものと考へられる.
    (2) エチレングライコール或はエチルアルコールの如き低價アルコールと苛性アルカリとが高濃度に共存する場合にも吸收曲線に不明瞭乍ら前同様二つの吸收帯が現はれ,アルカリ金屬を中心とし,之等アルコールを配位せる錯鹽の生成が認められる.
    (3) 葡萄糖水溶液に苛性曹逹を加えると振動數93×1013-1附近と108×1013-1附近に吸收帯が現はれる.此の二つの吸收帯は葡萄糖を配位したアルカリ金屬錯鹽の吸收帯と考へられる.
    (4) マンニットのアルコール溶液にソヂウムエチレートを共存せしめた溶液の吸收帯はマンニット苛性アルカリ水溶液の吸收帯と殆ど同じ位置に二つ現はれる.即アルコール溶液中でもアルカリ金屬錯鹽が生成する.
    (5) アセト醋酸エチルエステル及びアセチルアセトンのアルコール溶液の吸收帯はソヂウムエチレートの共存することにより吸收帯の中心は長波長部にずれ,而も山が高くなる.之はナトリウムがはいつて錯鹽構造を作る為,吸收帯を現はす原因たるヂケト群に對し,ナトリウム原子が靜電の影響を及ぼす結果不安定となり吸收帯が長波長部にずれるのであり,又錯鹽構造中の酸素原子を中心とする結合に基因する吸收帯が丁度此の吸收帶と重り合つて山が高くなるものと説明される.又振動數85×1013-1附近に新しい吸收帯,即ナトリウムを中心とする結合に基因する吸收帯が現はれる.
    (6) ソヂウムエチレートを共存するアセトアニライドアルコール溶液の吸收帯は振動數90×1013-1, 112×1013-1並に123×1013-1附近に都合三つ現はれる.前2者はマンニット其の他の場合と同様に錯鹽の吸收帯であり,最後の者はアセトアニライド固有の吸收帯であるが錯鹽生成の為に弱まつて山が低くなつて居る.
  • 北川 公, 村井 東助
    1941 年 62 巻 3 号 p. 220-226
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    室温と比較的高温度200°, 300°, 400°, 475°間に於ける水素の熱分子壓を,管徑0.2611, 0.6183, 0.8716mmの3種について,著者等の考案した装置にて測定し,其の結果
    (1) 温度差大なる程,又管徑小なる程熱分子壓が大なる事.
    (2) 壓力の増加にともなひ熱分子壓増加し, 1~2mmHg邊にて極大となり,其れより漸次又減少する事.
    (3) Pkalt/Pheissなる両端の壓の比はPkalt/Pheiss=√Hkalt/Hheissなる極限値より1迄一様に壓により増加する事.
    (4) (dP/dT)/(dP/dT)maxのlogP/Pmaxに對する曲線は一つの管,温度についてはぼ對稱なる事.
    (5)Pmaxは(T)1+n/Rにほぼ比例する事.但し温度差大,管徑ごく小又は大では偏移する.を認め,これをM. Kndsen及S. Weberの實驗式と比較して定性的には一致してゐるも,温度差大になるに従ひ,又壓力大になるに従ひ偏移増す事を見出し,此の原因は該著者等の使用した“Gleitungskoeffizient”に存し又かかる復雑なるべき現象を簡單に表現してゐる爲なる事を指摘した.
  • 末永 勝二
    1941 年 62 巻 3 号 p. 227-233
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    臭化チオフォスフォリルの双極子能率をベンゼン及び四鹽化炭素を溶媒とする稀薄溶液で測定した.その値は温度に關しての變化を示さず, 1.58D (C6H6; 10°C, 25°C, 28°C)及び1.43D (CCl4; 0°C, 25°C)と求められた.此の他臭化チオフォスフォリル-四鹽化炭素-二成分液相系の0~1の種々の濃度に對する透電恒數(40°C)を測定し,之よりP12及びP2の曲線を求めた又臭化チオフォスフォリル純一體の透電恒數を18°Cより48.8°Cに至る種々の温度で固相,液相兩相に亘つて測定した.この結果は固相に於てε=3.7前後(見掛上)の値を與へ,液相に於てはε=6.2前後の,但し温度と共に漸次減少する,値を示し,結晶構造と分子構造との關係から正常に理解され得る擧措を現はして居る.最後に以上求められた實驗結果と前に決定した結晶構造との知識から臭化チオフォスフォリル分子の構造に關し若干の考察をなした.
  • 温泉の弗素含量に就て(其一)
    奥野 久輝
    1941 年 62 巻 3 号 p. 234-238
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    温泉中の弗素定量法に就て研究して北海道カルルス温泉,層雲峽温泉及び松山温泉中の弗素含量を測定し,併せて他の成分の定量も行つた.カルルス温泉は硫酸鹽泉,層雲峽温泉は炭酸鹽泉と認められる.従来本邦温泉の弗素含量に關しては何等報告せられたるものはないが,その量は必しも微量ではない様である.
  • 温泉中のマグネシウムの定量に就て
    奥野 久輝
    1941 年 62 巻 3 号 p. 239-243
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    温泉のマグネシウムの定量法としてオキシン法に就て研究を行つた結果に基き,得られた二三の知見と定量方法を報告する.オキシン法は從來の燐酸鹽法に代るものとして推奬し得る.
  • 長野縣田立村産ガドリン石に就て
    中井 敏夫
    1941 年 62 巻 3 号 p. 244-246
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    長野縣田立村塚野(通稱ほつたて)産緑色ガトリン石及び帶褐緑色ガドリン石の分析を試み夫々第1.表,第2表の結果を得たり.又之等2種の鑛物に於けるランタニド元素の配分状應をX線スペクトルにより推定せり.
    之等の鑛物のX線廻折寫眞は何れもガドリン石に一致せり.
    緑色ガドリン石のラヂウム含量は2.75×10-8%なり.
  • 朝鮮黄海道安岳面産褐簾石に就て
    中井 敏夫
    1941 年 62 巻 3 号 p. 247-248
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    朝鮮黄海道安岳面板五里産の褐簾石の化學分析を行ひ第1表の結果を得たり.又X線スペクトルにより此の鑛物に於けるランタニド元素の配分状態を見たり.
    此の鑛物のX線廻折寫眞は褐簾石に一致せり.
    此の鑛物のラヂウム含量は1.86×10-9なり.
  • 京都市百萬遍知恩寺境内空氣中の鹽素含有量に就て
    高柳 義一
    1941 年 62 巻 3 号 p. 249-251
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    1. 本邦の大氣が如何なる程度に海洋の影響を受け居るかを調査する爲めに先づ大氣中の鹽素量を微量法により測定した.
    2. 昭和15年10月京都市百萬遍境内に於ける大氣は1m3につき平均7.3γ鹽素を含有せることを知つた.
    3. この鹽素量と海洋よりの距離,地勢,風向,風速,氣温,濕度,降水量等との關係に就て概要的の考察を試みた.
  • (アミノ酸及其關聯化合物の研究第十五報)
    高山 義太郎, 水野 三郎
    1941 年 62 巻 3 号 p. 252-255
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    本研究第十一報に於てLeucineの稀硫酸中に於ける電解酸化の際生成するものは主としてIsovaleraldehydeにして.それに少量のイソ纈草酸を含有し,尚其生成物中に中性の物質にして比較的沸點高き(125~130°)部分を少量見出したることを報告せり.本報告にては此中性の部分を檢索し,加水分解によりイソ纈草酸とアムモニアを生じ,還元によりIsoamylamineを生成すること等よりIsovaleronitrileなることを確認し其量Isovaleraldehydeの約5%に當りしこと及び此ニトリルの生成量を増加する條件をも見出し,其收量最高, Leucineの約30mol%を得たり.
  • トリパフラヴィンによるスルファターゼの精製
    左右田 徳郎, 江上 不二夫
    1941 年 62 巻 3 号 p. 256-258
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    バウシウホラの肝臓より製した粗製グルコスルファターゼ溶液にトリパフラヴィンを加へると多量の沈澱を生ずる.スルファターゼはこの際溶液中に殘るから,その溶液にアルコールを加ふればスルファターゼを純度の高い可溶性の白色粉末として得られる.それは約半量の炭水化物(マンノーゼより成ると推定される)と約半量の鹽基性蛋白質より成る.
  • 河村 文一
    1941 年 62 巻 3 号 p. 259-266
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
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