(1) 觸媒が變態に伴つてその活性能に變化を來たす事に及ぼす,表面處理の影響を調べた.
(2) 表面處理法としては機械的研磨後イ)酸洗ひロ)酸化-還元,ハ)熱處理を各々單獨に,或はそれらを複合して用ひた.
(3) その結果は,イ)酸洗ひの時は變態に伴ふ活性能の急變を認めなかつた.ロ)酸化-還元の場合は温度上昇時,下降時各々別に活性能の變化を示し,ヒステレシスの現象を認めた.ハ)熱處理を繰り返へしてゐる間に突然變態に伴ふ活性能の變化が消滅し,而も活性能は増加を示した.
(4) これらの結果から,觸媒の活性能に及ぼす變態の影響は表面處理法により,甚しく異なる事が分る.
(5) その理由は觸媒の活性中心の原子の易動性が表面處理法如何によつて異なるためと解せられる.
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