日本化學會誌
Online ISSN : 2185-0909
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61 巻, 2 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 藤田 安二, 中原 公男
    1940 年 61 巻 2 号 p. 77-80
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    2, 4-Dinitrophenylhydrazineのアルコール硫酸溶液を用ひ,樟腦油中の樟腦を定量して甚だ滿足なる結果を得た.この方法の利點は試料が少量で濟む事, 2, 4-Dinitrophenylhydrazoneとして樟腦の實體をつかみ得る事,定量と檢定を同時に行ひ總ての油分に適用し得る事等である.定量の誤差は±0.1%の程度である.
  • ビス-[5-メチル-4, 6-ヂオキソ-ピリミヂル-(2)]-ヂスルフィド及びその第一銅鹽に就て
    西川 武一
    1940 年 61 巻 2 号 p. 81-88
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    1. 5-メチルチオバルビツル酸に醋酸銅を作用させて黄色結晶[C5H4O2N2Cus-]2・[C5H5O2N2S-]2・2HClを得た.
    2. これを水で處理してビス-[5-メチル-4, 6-ヂオキソ-ピリミヂル-(2)]-ヂスルフイドの第一銅鹽を得た.
    3. このヂスルフイドの出來る反應を説明した.
    4. この第一銅鹽は赤色粉末で水にもアルカリにも溶解せず融點のない安定な化合物であるからResonance hybridをなしてゐるとした.
  • 酸化物陰極物質のZone-modelに就て
    上原 康夫, 高橋 政利
    1940 年 61 巻 2 号 p. 89-95
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
  • Oxyresveratrolの構造決定
    高岡 道夫
    1940 年 61 巻 2 号 p. 96-98
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    Oxyrresveratrolの構造は前報に於て推定せる如く3, 5, 2′ ,4′-Tetraoxystilbenなる事を合成的に證明せり.
  • 荒木 長次, 端 與之助
    1940 年 61 巻 2 号 p. 99-107
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    1) d-Mannitol及びd-Sorbito1より夫々Hexamethyl-d-mannito1及びHexamethy1-d-sorbitolを作りたり.
    2) Hexamethy1-d-mannitol及びHexamethyl-d-sorbito1のメトオキシル價をZeisel氏法によりて測定せしに計算値に比し遙に大なる數値を與へたり.これは沃化水素酸によるd-Mannitol及びd-Sorbito1の還元によりてHexyliodideの生成溜出して沃化銀を與へたるによるためなり.
    3) G1ycero1, i-Erythritol, l-Arabitol, Xylitol, d-Mannitol, Dnlcitol, d-Sorbitol,及びd-Glueco-α-heptitolはZeise1氏メトオキシル價測定法を用ひ,新に蒸溜せる比重1.7の沃化水素酸と共に加熱する時は何れも對應する沃化アルキルとなりて溜出し沃化銀を輿へたり.その沃化銀の定量により,多價アルコール中低級なるもの程その還元溜出容易にして,又同一物質に就ては試料の少量なる程容易なるを見たり.
    4) 多價アルコールメチル誘導體のメトオキシル價はトリメチルアミン法によりて測定するを可とす. Zeisel氏法による時は得たるメトオキシル價より多價アルコールの還元によりて溜出する沃化アルキルに基因する數値を控除せざるべからず.
  • 仁田 勇
    1940 年 61 巻 2 号 p. 108-120
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    (1) 凝相に於ける原子乃至分子的構造の解析的表示を述べ, (2)ペンタエリストルの正方結晶が水素結合又は水素橋の存在によりて層状構造をとり,その結果結晶の性質に著しき異方性の現はるる事; (3) ペンタエリスリトルの結晶が179.5°Cに於て等軸結晶に轉移するに際して水素結合の破壞と同時に分子内及び分子全體の廻轉が起る事,及びこの分子形態の可變性がその双極子能率を説明する事; (4) 硫尿素結晶構造がNHS型水素結合に支配せられる事,及びヨードフォルムと臭化チオフォスフォリルの結晶に於ける分子配列がハロゲン原子の著しき分散效果に基くLondon力に支配せられる事; (5) 液態四鹽化炭素に於ては異分子間鹽素・鹽素原子距離の値が3.90A.のものが最も多く現はれ,之は鹽素原子のvan der Waals力を認める立場からは液體中に一種の二分子會合が生じて居るべく考へられる事; (6) その他に關し若干の考察をなした.尚(7)序に正方ペンタエリスリトル結晶の構造決定に際して得られたる原子間結合距離,結合角その他を簡單に記載した.
  • ニコチン酸の二三の誘導體に就て
    福島 好郎
    1940 年 61 巻 2 号 p. 121-124
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    ニコチン誘導體の研究の爲に先づその酸化成績物として容易く得られるニコチン酸の誘導體,就中種種の醫藥を含むニコチン酸アミド類(I),ニコチン酸エステル類(II),ニコチン酸メチルエステル-N-ハロゲンアルキル類(III)を合成しその若干の性質を試驗した.
    (A=Alky1; X=Halogen)
  • 熱天秤による重量分析研究其二十七
    石橋 尚吾
    1940 年 61 巻 2 号 p. 125-129
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    題記定量法の秤量形及び加熱温度下の如し. I)ベンゾインオキシム. i)銅: Cu(C6H5・CHO・CNO・C6H5)105°~140°C;其れよりCuOとして>580°C. ii)モリブデン:ベンゾインオキシム化合物よりMoO3として530°~550°C. II) フェニルチオヒダントイン酸. iii)コバルト:フェニルチオヒダントイン酸による沈澱よりCoOとして>1050°C;同化合物より硫酸によりCoSO4として500°~550°C. III)ヘキサメチレンアトラミン. iv)マグネシウム: [Fe(CN)6CaMg]34(CH2)6N4・4OH2O<25°C; MgI2・10H20・2(CN)6N4<40°C;更にMgOとして>890°C. v)カドミウム: CdI2[(CH2)6N4C3H5I]275°~105°C.
  • 熱天秤による重量分析研究其二十八
    吉田 幸人
    1940 年 61 巻 2 号 p. 130-132
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    熱天秤を用ひクロム酸,モリブデン酸,タングステン酸,〓ナヂン酸,燐酸及砒酸を第一水銀鹽として定量する方法を研究せり.水銀鹽のまま秤量し得るはクロム酸の場合のみにして他は酸化物とするを要し,燐酸及び砒酸の場合には酸化銅を添加すべし.秤量形及び適當なる加熱温度範圍下の如し.
    クロム: (A) Hg2CrO4<180°C; (B)更にCr2O3として>1000°C.モリブデン: (A) MoO3 (第一水銀鹽より) <600°C (短時間600°~650°C).タングステン: (A) WO3 (第一水銀鹽より) >680°C.〓ナヂン: (A)V2O5 (同上) >700°C.燐: (A) P2O5 (同上CuO添加) 750°~850°C.砒素: (A) As205 (同上CuO添加) 700°~800°C.
  • 熱天秤による重量分析研究其二十九
    木羽 敏泰, 佐藤 清一
    1940 年 61 巻 2 号 p. 133-136
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    題記諸試藥を用ふる金屬定量の秤量形及び適當なる加熱温度下の如し. I) アントラニル酸. i) マンガン: Mn(C7H6O2N)2 100~120°;更にMn2O3として500~890°;又更にMn3O4>970°. ii) 水銀: Hg(C7H6O2N)2 100~160°. iii) 鉛: Pb(C7H6NO2)2 100~230°;更にPbOとして600~800°(單獨), 50O~800°(蓚酸添加). II) Reinecke鹽. iv)銅: Cu[Cr(CNS)4(NH3)2] 110~140°. v)カドミウム: [Cd(Thiou)2][Cr(CNS)4(NH3)2] 110~140°. III)キナルヂン酸. vi)銅: (C10H6NO2)2Cu・H2O 110~140°;更にCuOとして530~1000°. vii)亜鉛: (C10H6NO2)2Zn・H2O 110~170°;更にZnOとして>660°. viii)カドミウム: (C10H6NO2)2Cd 110~125°;更にCdOとして>530°. ix)ウラン: U3O8 (キナルヂン酸鹽基性鹽より) 700~900°. IV)βナフトキノリン. x)カドミウム: (C13H9N)2H2(CdI4) 110~130°;更にCdOとして>660°.
  • シラゲヒメジソの精油(其二)
    藤田 安二
    1940 年 61 巻 2 号 p. 137-140
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    臺北州産シラゲヒメジソを蒸溜して0.33%の收率にて精油を得た. Thymo1 43%を含み, Terpene部はp-Cymeneの外少量の融點86°(分解)のNitrosochlorideを與へるTerpene及び融點129~130°のBromideを與へるDipenteneにあらざるTerpeneよりなり,中沸點部は主としてThymol methyletherであつて,別に少量のTerpene alcoholを含む.又Sesquiterpene部は脱水素によりAzuleneを與へる双環性セスキテペンよりなる.
  • 多價アルコール及びアルトン酸のメチル誘導體の脱メチルに就て
    荒木 長次, 端 與之助
    1940 年 61 巻 2 号 p. 141-148
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    低温度に於ける高濃度沃化水素酸(24時間),又は高濃度臭化水素酸(9日間)の作用によりHexamethy1-d-mannitol及びHexamethyl-d-sorbitolは完全に脱メチルして夫々d-Mannitol及びd-Sorbitolを生じ,又2, 3, 4, 6-Tetramethyl-d-gluconolactone, 2, 3, 4, 6-Tetramethyl-d-mannonolactone及び2, 3, 4, 6-Tetramethyl-d-galactonolactoneは略々完全に脱メチルして夫々d-Glncono-r-lactone. d-Mannono-r-lactone及びd-Galactone-r-lactoneを生成せり.仍つて之等の反應は糖類メチル誘導體に於けると同様一般に多價アルコール及びアルドン酸のメチル誘導體より原多價アルコール及び原アルドン酸の分離及び確定の目的に使用し得べし.
  • 朝鮮鬱陵島産玄武岩アルカリ粗面岩及び白榴石岩のラチウム含量
    中井 敏夫
    1940 年 61 巻 2 号 p. 149-153
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    朝鮮鬱陵島産玄武岩一種,アルカリ粗面岩七種,白榴石岩一種に就てラヂウム含量を測定せる結果平均ラヂウム含量玄武岩0.13×10-12g Ra/g,アルカリ粗面岩1.13×10-12g Ra/g,白榴石岩1.65×10-12g Ra/gなる値が得られた.之等の三種の火山岩の噴出順序は玄武岩が基定をなすもので最も古く,アルカリ粗面岩の噴出は之より遙かに新しく更に白榴石岩は最後の噴出の部分に相當するものであつて,噴出順序の新しいもの程ラヂウム含量が増加するといふ傾向が窺はれる.
  • 箱根火山の溶岩のラヂウム含量
    中井 敏夫
    1940 年 61 巻 2 号 p. 154-160
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    1) 箱根火山熔岩14個(安山岩13,石英安山岩1)についてラヂウム含量を測定せる結果0.05~0.16×10-12g Ra/g平均0.09×10-12g Ra/gなる値が得られた.此の値は從來外國に測定せられたる安山岩及び石英安山岩の平均ラヂウム含有量と比較すると極めて小なるものである.
    2) 箱根火山熔岩のラヂウム含量と珪酸含量及び噴出順序との間には一定の相互關係は認められない.
    3) 斑晶の多い岩石は無斑晶のものに比し一般にラヂウム含量が大であるといふ傾向が窺はれたが,ラヂウム含量0.12×10-12g Ra/gの安山岩の一試料より斑晶鑛物の大部分を占める斜長石を選リ分け,之に就てラヂウムを定量せるところ0.00×10-12g Ra/gなる値が得られ,反つて斑晶の部分はラヂウムに至つて乏しいといふ結果が得られた.
    4) 化學組成の明かなる6個の試料につき無斑晶岩は岩石全體としての加里及び曹達の含量を求め,斑状岩に於ては石基の部分の加里及び曹達の含量を求めたるところ,各試料につきラヂウムの含量とK2O/Na2Oの比の關係は大略直線的關係にある.
  • 奥田 治
    1940 年 61 巻 2 号 p. 161-176
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    シトラールを20%硫酸と共に室温に於て振盪したる後蒸溜に依り反應生成物よリテルベン部分を約25%收量にて分離せり.テルペン部分は金屬ソヂウムを加へ反覆精溜を行ひたるに主生成物はシトラールテルペン及パラサイメンにして,其他低沸點部よりアセトン,イソプロピルアルコールを得たる外,新物質1-Methyl-〓2:6-Cyclohexadieneを發見せり.
    シトラールテルペンは第三級-第三級半環性二重結合特有のニ卜ロソクロライド呈色反應を示し,唯一の結晶性誘導體として融點114.5~115°の二臭化物を與へ, Pd〓を觸媒とする接觸還元に依り1モルの水素を吸收せしむる時パラメンタンの傍dl-α-フエランドレンを生成する事實を其無水マレイン酸附加物に依りて確認せり.依て其構造はΔ2:4〓:6-p-Menthatrieneにして文獻に記載無き新化合物なり.而してパラサイメンを除くC10H14の分子式を有する最初の物質なり.
    シトラールテルペンを20%硫酸と振盪すればパラサイメンへ異性化し,金屬ソヂウムを加へて蒸溜すればアセトンを生成する故にテルペン精製時得たるアセトン,イソプロピルアルコール,メチルシクロヘキサヂエン及パラサイメンは何れも不安定なるシトラールテルペンの變化生成物なり.
    シトラールテルペンの性質並構造の判明に依り溯つてシトラールよリテルペンの誘導されたる環化機構はシトロネラールが硫酸の作用を受けたる場合と同じくシトラール,デヒドロイソプレゴール,メントグリセロール,シトラールテルペン,而してパラサイメンの順序を經るものなることを説明し,シトラールテルペンにメノゲレン(Menogerene)の名稱を與へたり.而して斯の如き順序による環化反應は一般鎖状テルペンアルデハイド類の示す一般傾向と考へ得べく,生物化學的見地より甚だ重要なることに言及せリ.
  • 鉛市 太郎
    1940 年 61 巻 2 号 p. 177-183
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
  • 小松原 久治
    1940 年 61 巻 2 号 p. 184-192
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
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