1) 愛知縣段戸山山塊に發達する清崎花崗閃緑岩類,澄川花崗閃緑岩類,武節花崗岩類及び三都橋花崗閃緑岩類に〓する各種の岩型の岩石試料36種に就きラヂウムの測定を行ひ第1表の結果を得た.
2) 各岩類に〓する岩石を夫々主體の部分と脈状岩體の部分とに分類して見ると,一般に後者は前者に比〓ラヂウム含量が大であり殊にペグマタイトに於ては何れも著量のラヂウムが濃縮せられてゐる.
3) 同一脈岩中の半花崗岩とペグマタイトのラヂウム含有量を測定比較せる結果,夫々2.64×10
-12gRa/g及び5.26×10
-12gRa/gなる結果が得られた.
4) 各岩類の主體の部分に〓する岩石の間に於てはラヂウム含量が珪酸の含量に比例するといふ一般的法則は略々成立するが,主體の部分に於ては岩石が幾ら酸性になつてもそのラヂウム含量は無暗に増大することはない.
5) 岩石のラヂウム含有量と加黒其他の化學成分との間には一定の相互關係は認められない.又黒雲母含量との間にも一定の關係は存在しない.
6) 岩石の汚染作用を烈しく受けた部分にラヂウムが濃縮されるといふ傾向が窺はれる.
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