一酸化炭素及び炭酸瓦斯の混合氣體の室温と108°, 245°, 354°, 402°, 440°, 505°, 740°,間の熱分離效果を著者等の考案した装置によりて測定し,其の結果
(1) 混合氣體の組成と熱分離率との關係は,從來の他の混合氣體に於けると同樣に約50%邊に極大を有する事;
(2) 熱分離率と温度との關係は第二報の結果と相似して温度差小なる場合は,理論の要求する如く,原點を通過する直線であるが,温度差大になるに從つて漸次彎曲する事,を認め,之より
(3) T. L. Ibbs等の言ひ出せる炭酸瓦斯に直線,彎曲2種の變態あり, 145°邊にて轉移するとの實驗的根據の一つを否定した.
(4) S. Chapmanの理論値と比較より熱分離率
Δλは彈性剛體球の場合の値の1/3以下である事;
(5) 熱分離係數
Ktの理論値と實測値と比
Rt=
Kt beob./
Kt ber.は混合瓦斯分子の剛さを表はし,よくその炭酸瓦斯混合氣體間の
Rtの違ひは其の分子間の電子密度の差で表はし得られる事;
(6) 著者等の先きに提出した實驗式
log[
A/
B]Heiss=
n log[
A/
B]Kalt+Const.
は此の場合にもよく當はまる事を認め,
(7) 分子間斥力指數に6.1を得た.
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