日本化學會誌
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62 巻, 2 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 吸收に現はれたる置換基の共鳴効果と芳香族置換に於ける基の指向力との關係
    都築 洋次郎, 植村 琢, 平澤 直一
    1941 年 62 巻 2 号 p. 85-87
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    p-ハロゲン・ニトロソ・ベンゼンの吸收スペクトルを觀測するにそのλmaxは何れもニトロソ・ベンゼンの夫より大きく,その大いさの順位はI>Br>Clである.
    p-置換體のλmaxO-置換體の夫よりも大である.
    ベンゼン核置換に於ける基の指向力とニトロソ・ベンゼンに及ぼす深色的影響とが並行關係にあることを指摘した.よつてハロゲン原子についてその共鳴効果はI>Br>Clなる順序にあるといふ結論を得た.
  • ロダノプレン竝にその重合物に就て
    小竹 無二雄, 三田 周, 三神 義雄
    1941 年 62 巻 2 号 p. 88-89
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
  • 酒石酸-銅-アルカリ系錯鹽溶液の旋光分散
    久保田 正雄
    1941 年 62 巻 2 号 p. 90-92
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    d-酒石酸-硫酸銅-苛性曹達系錯鹽溶液の旋光分散を測定した結果旋光性が右旋を示す組成の溶液の場合には旋光性は端吸收に相當する波長に近づくと急激に増大するが,溶液の旋光性が左旋を示す場合即d-酒石酸0.01モル/l,硫酸銅0.01モル/l,苛性曹達0.037モル/lの組成の溶液の旋光性は端吸收近くの波長に於ても變化が少い.此の事實は前者の旋光性と後者の旋光性とは別種のものであることを示してゐる.即前者の場合はd-酒石酸分子の旋光性によるものであり,後者の場合は錯基の不齊構造によつて生ずる旋光性であると考へられる.此の結果により第四報に於ける著者の説明が確められた.
  • マンニット-銅-アルカリ系錯鹽溶液の旋光性
    久保田 正雄
    1941 年 62 巻 2 号 p. 93-95
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    (1) マンニット-銅-アルカリ系錯鹽溶液の旋光度はマンニット及銅の量を一定にしてアルカリの量を變へるときアルカリ濃度の比較的低い間はアルカリの量が増すにつれ急激に旋光度を増加する.之はアルカリ濃度の増加によりマンニット分子の作る分子内錯化合物の構造に變化を來す爲と考へられる.又アルカリ濃度の極めて高い場合に旋光度の減少するのは,マンニット分子のラセミ化の爲と説明される.
    (2) 旋光度の測定結果により,溶液中のアルカリ濃度が高い時或はマンニットが溶液中に過剰に存在するときは,銅イオン1個に對し最高マンニット2分子配位結合せる錯基が生成するものと考へられる.
    (3) 第五報1)及び本報の結果から,一般に其の吸收帯に相當する波長に近づくにつれ左旋(又は右旋)の方向に旋光度を急激に變化する旋光性物質を配位せる金屬錯鹽溶液の旋光性は其の特殊吸收帯に相當する波長に近づくにつれ右旋(又は左旋)の方向に旋光度を變化するといふ一法則を認む.
  • 北岡 馨
    1941 年 62 巻 2 号 p. 96-99
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    1. 17%程度の灰分あるコークス粉末を850~900°で赤熱しつつ鹽素を通じ7%程度とすることは容易である.
    2. 特に微細粉を選擇すれば4%程度を得ることも容易である.
    3. 2度3度單に鹽素處理を繰返すことは灰分を少くする目的に對しあまり效果がない.
    4. 微細粉を得を爲に浮遊選鑛法を用ひたが其際浮揚部分に却つて灰分の多いものが來ることを認めた.
    5. 鹽素處理中鹽素の收着現象と噴出現象のあることを認めた.
    6. 鹽酸處理及びアルカリ熔融も鹽素處理理以上に著るしい效果ありとは認め得なかつた.
    7. 鹽素處理でも鹽酸處理でもSiO2分は灰分の分析%に於て増大するが前者に於てSiO2は相當脱出せられ後者に於ては殆んど脱出せぬ.之上りしてSiO2分はコークス中にSiO2態であることを推定した.
  • 一酸化炭素及び炭酸瓦斯の混合氣體に於ける熱分離効果の測定
    北川 公, 若生 松兵衛
    1941 年 62 巻 2 号 p. 100-106
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    一酸化炭素及び炭酸瓦斯の混合氣體の室温と108°, 245°, 354°, 402°, 440°, 505°, 740°,間の熱分離效果を著者等の考案した装置によりて測定し,其の結果
    (1) 混合氣體の組成と熱分離率との關係は,從來の他の混合氣體に於けると同樣に約50%邊に極大を有する事;
    (2) 熱分離率と温度との關係は第二報の結果と相似して温度差小なる場合は,理論の要求する如く,原點を通過する直線であるが,温度差大になるに從つて漸次彎曲する事,を認め,之より
    (3) T. L. Ibbs等の言ひ出せる炭酸瓦斯に直線,彎曲2種の變態あり, 145°邊にて轉移するとの實驗的根據の一つを否定した.
    (4) S. Chapmanの理論値と比較より熱分離率Δλは彈性剛體球の場合の値の1/3以下である事;
    (5) 熱分離係數Ktの理論値と實測値と比Rt=Kt beob./Kt ber.は混合瓦斯分子の剛さを表はし,よくその炭酸瓦斯混合氣體間のRtの違ひは其の分子間の電子密度の差で表はし得られる事;
    (6) 著者等の先きに提出した實驗式
    log[A/B]Heiss=n log[A/B]Kalt+Const.
    は此の場合にもよく當はまる事を認め,
    (7) 分子間斥力指數に6.1を得た.
  • 末永 勝二
    1941 年 62 巻 2 号 p. 107-111
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    Baudrimontの方法に從ひて硫黄及び三臭化燐より合成したる臭化チオフォスフォリルの正八面體及び正六面體結晶を製し,この試料につきLaue寫眞法及び廻轉結晶法に基いて結晶構造を決定した.單位格子の大さはa=11.03Åで8箇のSPBr3分子を含む.之より計算せる結晶蜜度2.98は著者の直接測定せる密度値2.97と良く一致する.對應空間群はTh6-Pa3であつて,分子對稱下限はC3-3となる. S及びP原子は夫々International Tabellenの(c)位置に,而してBr原子は(d)位置に配置せられ,最後の(d)座標の値として大體x≈0, y≈0, z≈1/4である.この構造は所謂SnI4型として知られて居るものであるが,化學式がAX3Yの形の物質にてこの構造を知られたのはこの臭化チオフォスフォリルが最初である.
  • 川合 眞一, 中村 隆雄, 北澤 彌吉郎, 小松 和
    1941 年 62 巻 2 号 p. 112-118
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    酸化に依らざる3-ニトロ-フラン環の新開裂反應を研究し之を驅使して第十一報に於てエゴノール反應の有無に基いて夫々推定せる3-ニトロ-アセチル-エゴノール及び4-ブロム-アセチル-エゴノールの構造が正當であつたことを證明することが出來た.同時に“エゴノール反應”はエゴノール及び其誘導體に於て4位炭素原子に置換基が有るか無いかを檢出する有力なる呈色反應であることが實證された.
  • 1941 年 62 巻 2 号 p. 118a
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
  • 1941 年 62 巻 2 号 p. 118b
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
  • 田所 哲太郎, 高杉 直幹, 齊藤 恒行
    1941 年 62 巻 2 号 p. 119-122
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    著者等は既報1)の如くPoly-, Di-及びMononucleotidは共に強力なるAscorbin酸オキシダーゼ作用を有することを認め且つ鮭肝臟の酵素作用あるものも,豆もやし及びVitellineのParanuclein酸として燐含量を増加せしものも共に酵素力を増大しNucleotid特有の吸收スペクトルを現はす事を報告せり.本報告には米胚芽の調製品の酵素力と是が促進と阻止作用とある物質に就き得たる結果を下に記述すべし.
    (1) 米胚芽の水溶性蛋白質中に強力なる酵素を含むも燐含量低くNucleotid特有の吸收帯を示さず.然るに之よりParanucleinを調製すれば燐含量を高め260mμに吸收帯を生ず.
    (2) 水溶性物質除去殘液を強アンモニアにて處理して得たるParanuclein酸調製によるものは燐含量高く260mμに吸收帯あるも酵素力極微弱なり.之をMononucleotid調製處理を行ふときに始めて強力の酵素力を有するに至る.
    (3) Ascorbin酸オキシダーゼ作用はVitamin Eにより促進されDiphtheria Toxinにより阻止せらるる傾向を有するが如し.
  • 醋酸バッファー中に於ける空氣酸化2鐵鹽の接觸作用
    篠原 龜之輔, 稲葉 安養子
    1941 年 62 巻 2 号 p. 123-130
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    鐵鹽(Fe〓及びFe〓)はアスコルビン酸空氣酸化に對し,銅鹽と共存する際のパーオキシダーゼとしての作用以外に,夫自身オキシダーゼとしての作用を有する.此作用は枸櫞酸バッファー中に於て最も顯著,醋酸バッファー中に於ては稍々弱く,而して燐酸バッファー中に於ては全く認められない.燐酸バッファー中に於て鐵鹽が接觸作用を示さない理由はFe〓が燐酸鹽となつて沈澱する爲めである. Szent-Györgyi及びBarron等が鐵鹽の該作用を否定した原因は彼等が孰れも燐酸バッファーを用ひて實驗を行ふた事にある.
    醋酸バッファー中の鐵鹽の該接觸作用は微弱で同一モル濃度の銅鹽の夫の約3/10000に相當する.
    恒定酸素壓下に於ける鐵接觸酸化は反應の末期に至る迄零次反應として進行し,其速度は恒定pHに於ては鐵鹽濃度の増加に伴つて増大するがアスコルビン酸濃度に對しては獨立的である.
    恒定酸素壓及び鐵鹽濃度に於ては該速度は水素イオン濃度の二乘根に逆比例するが,アルカリ性領域に於ては鐵の接觸作用は全く熄む.
    酸素壓の増大は該速度を増大する.
    銅鹽の接觸酸化の場合と異なり,鐵鹽の接觸酸化に於てはH2O2は出現しない.
  • Papain-Takaamylase-Symplexの組成
    赤堀 四郎, 樫本 克彦
    1941 年 62 巻 2 号 p. 131-133
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    タカアミラーゼとパパインより成るSymplex中のタカアミラーゼ,パパイン両成分の重量比を間接定量法によつて決定した.即ちタカアミラーゼをコロヂオン膜で透析したときの外液より得たPapain-amylase-symplexに於ては, Papain:Takaamylase=72:28内液より得たものに於てはPapain:Takaamylase=23:77なる値を得た.以上の結果からタカアミラーゼ分子は一定の大いさを有するものでなく,酸性多糖類様原子團に種々の大いさのポリペプチド様原子團の結合したものと推定する.
  • 臺灣産イヌカウジユの精油
    藤田 安二
    1941 年 62 巻 2 号 p. 134-142
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    イヌカウジユが臺灣にも産する事が分つた.臺灣産イヌカウジユは精油の收率0.57%,油分の75%はThujoneよりなり,この外Terpene部としてd-Sabinene及びd-Limoneneを含み,又少量のAlcohol及びEsterを含有し, Sesquiterpene部にはα-Caryophylleneの外,なほ構造不明のTricyclic Sesquiterpeneを有する.
  • 最適分析條件の檢索
    森川 清, 木本 寅喜, 阿部 良之助
    1941 年 62 巻 2 号 p. 143-149
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    含酸素有機化合物を水素氣流中で熱分解し,次にニッケル觸媒上で還元して酸素を水として定量する所謂酸素の直接定量法には今日未だ異論が多い.依て熱分解觸媒温度,還元觸媒温度,水素流速,試料採取量,吸収劑,試料を加熱する速度,空試驗値の補正等の分析條件を仔細に實驗的に檢討し從來の疑點を解決した積りである.此處で決定した最適條件下で,諸般の注意を拂つて分析を行つた結果蔗糖,セルローズ,リグニン,安息香酸,α-ナフトル酸,β-ナフトル酸,アンスラキノン,尿素,ヂメチルグリオキシム等は±0.3%以内で理論値と良く一致する値を與へた.
  • 熱分解機構の檢討
    森川 清, 木本 寅喜, 阿部 良之助
    1941 年 62 巻 2 号 p. 150-155
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    第一報に於て1)水素添加法に依る有機物中酸素の直接定量法を試み最適分析條件を決定した.本報では白金シリカゲル上の熱分解機構を實驗に依て解析的に檢討すると共に計算に依て化學平衡論的方面から精細に考察して本分析法の原理を明確にした.
  • 森田 徳義
    1941 年 62 巻 2 号 p. 156-174
    発行日: 1941年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
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