日本化學會誌
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64 巻, 1 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
  • 咸鏡北道鶴城郡鶴南面達利洞産諸鑛物のラヂウム含量
    齋藤 信房
    1943 年 64 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 1943/01/28
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    i) 達利洞の花崗岩ペグマタイトに産する褐簾石,ジルコン,〓石,加里長石,石英,灰鐵輝石合計11箇に就てラヂウム含量を測定した.
    ii) ラヂウムは比重の大きい褐簾石,ジルコン,〓石に濃縮されて居り,石英,加里長石には少い.
    iii) 接觸鑛物である灰鐵輝石は,加里長石と殆ど等しい含量を示し,特にラヂウムが濃縮されては居らない.
    iv) ジルコン,〓石に就ては,随伴鑛物異ればラヂウム含量が可成變動するが,褐簾石,加里長石,石英ではかゝる事が少い.
    v) ラヂウム含量を他地方産に就ての測定値と比較して論じた.
  • 臺灣産石灰石の檢鏡的研究
    山根 武雄, 大庭 景利, 安倍 通夫
    1943 年 64 巻 1 号 p. 7-11
    発行日: 1943/01/28
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    (1) 臺灣に産する代表的石灰石の顯微鏡的並びに分析的調査を行つた.且X線的調査をも併せ行つた.
    (2) 臺灣に於て,著者等の今迄に採取せる石灰石を分析し,且檢鏡的に之を分類した.
  • 1943 年 64 巻 1 号 p. 10
    発行日: 1943年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
  • 資源的に見たるイヌカウジユ屬の精油
    藤田 安二
    1943 年 64 巻 1 号 p. 12-15
    発行日: 1943/01/28
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    本報に於てはイヌカウジュ屬精油の主成分が悉く極めて有望なる資源であつて見逃すべからざるものなる事を示さんとする.
  • 濃度と熱擴散速度との關係
    廣田 鋼藏
    1943 年 64 巻 1 号 p. 16-22
    発行日: 1943/01/28
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    前數報以來用ひ來りし熱擴散裝置により數種の電解質溶液の分離を行ひ,熱擴散恒數の濃度に對する依存關係を次の4種の型に分類し得る事を見出した.
    (i) 單調増加型: -NaCl, KNO3;
    (ii) 單調減少型: -NH4Cl,弱酸, [(NH4)2CO3?];
    (iii) 極大型: -HCl, H2SO4, CuSO4;
    (iv) 極小型: -Na2CO3, CH3COONa
    尚Soret効果の實測値に基くも同樣の分類が可能なる事を示し,此等の結果より熱擴散効果の機構其他に就き若干の考察を行つた.特にさきに見出した所の混合溶液の異常分離現象は熱擴散速度の濃度による變化に基いては理解不能なる點を明かにした.
  • 重エチレンとプロピレンとの間の交換反應の反應の反應速度論的研究1
    小泉 正夫
    1943 年 64 巻 1 号 p. 23-30
    発行日: 1943/01/28
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    重エチレンとプロピレンとの間の重水素交換反應を速度論的に解析し,次の結論に到達した.
    1) プロビレン分子の水素原子の中最も交換反應を起し易いものは,末端にあるメチレン基の2個の水素原子であり,次はメチル基の結合せる中央の炭素原子の持つ1個の水素原子であつて,最も交換反應を起し難いものはメチル基の3個の水素原子である.
    2) 末端にあるメチレン基の持つ2個の水素原子は,メチル基の結合せる中央の炭素原子の持つ1個の水素原子に比較して,數倍程度交換反應を行ひ易い.
  • 1943 年 64 巻 1 号 p. 30
    発行日: 1943年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
  • サリチルアルデヒドエチレンヂイミンコバルトとブロモフォルムとの反應
    妻木 徳一, 遠藤 壽一
    1943 年 64 巻 1 号 p. 31-37
    発行日: 1943/01/28
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    2價の分子内コバルト錯鹽サリチルアルデヒドエチレンヂイミンコバルトにブロモフオルムを接觸せしめると,先づ橙色の針状結晶が析出し,之をそのまゝ放置すれば溶液中より更に黒緑色板状の結晶が析出し來り,遂には橙色の結晶は消失して黒緑色板状の結晶のみとなることを觀察し,これらの錯鹽を純粹に分離することによつて,夫々の構造,性質を明かにした.即ち橙色錯鹽は原錯鹽に2分子のブロモフオルムが輕く添合せられてゐる添合化合物であつて,このブロモフオルムは空氣中に於て容易に失はれる.黒緑色錯鹽は極めて特異な性質を持つものであつて,水に對して著しく敏感であり,結晶を空氣中に放置する時は空氣中の水分の作用を受けて速やかに分解せられて3價の臭化コバルト錯鹽に變化する.この黒緑色錯鹽は橙色錯鹽の電子異性體に相當し,錯鹽中のコバルト原子が2價より3價に酸化せられる際の中間的状態に相當する化合物なることを論じた。
    又サリチルアルデヒドエチレンヂイミンコバルトをブロモフオルムに多量のベンゼンを加へた溶液中にて加熱すれば, 3價のコバルト原子を有するサリチルアルデヒドエチレンヂイミンコバルチブロミドが生成せられる.
    この樣にこれら變化の間に2償のコバルト錯鹽より3價のコバルト錯鹽への原子價移動が見られ,而もその中間状態に相當すると考へられる物質を結晶状に分離し得たことから,この變化がコバルト原子酸化の機構の究明に役立ち得べきことを示唆した.
  • 外山 修之
    1943 年 64 巻 1 号 p. 38-40
    発行日: 1943/01/28
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    油脂試料20種に就て(a)試料秤取量2g内外,鹸化液N/2-酒精加里液,滴定液N/2-鹽酸, (b)試料秤取量0.8g内外,鹸化液N/5-酒精加里液,滴定液N/5-鹽酸, (c)試料秤取量0.4g内外,鹸化液N/10-酒精加里液,滴定液N/10-鹽酸を用ひ還流冷却器のもとに湯浴上に30分間加熱して鹸化價を測定したるに(c)の場合は若干の試料に就て稍低き値を示したが(b)の場合は(a)の場合と一致せる値を示し,其の差は1以下(測定値に對し最高0.5%)であつた.〓類試料6種に就ても同樣の比較試驗を行ひたるに, (c)の場合は概ね低き値を示したが(b)の場合は(a)の場含と一致せる値を示した.此等の結果により試料が少量なる場合にはN/5-溶液を用ひて鹸化價を測定しても差支ないものと認められた.
  • 竹林 松二
    1943 年 64 巻 1 号 p. 41-43
    発行日: 1943/01/28
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    1. 空氣(酸素)の無い所でクロトン酸ニトリルに臭化水素を作用して得られる油状生成物を酸で加水分解するとβ-ブロム酪酸及び其アミドが得られた.
    2. 而してクロトン酸ニトリルに於てはそのエチレン基に次の分極の起つてゐる事を認めた.
    CH3・CH=CH・CN〓
    3. メタ配向の置換基ニトリル基についてその分極効果を考察した.
    4. 此の附加反應に於いて酸素効果は認められない.
  • 完戸 俊助
    1943 年 64 巻 1 号 p. 44-45
    発行日: 1943/01/28
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
  • オキシム-鉛結合の異常性に就て(II)
    石橋 雅義, 清水 英太郎
    1943 年 64 巻 1 号 p. 46-52
    発行日: 1943/01/28
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    1. 代表的3種の脂肪族ケトオキシムを合成し,此等が何れも鉛と沈澱性化合物をつくらない事より鉛に對する一般脂肪族オキシムの作用の類似性を推察した
    2. 代表的2種の芳香族ケトオキシムを合成し,此等が何れも鉛と沈澱性化合物をつくること及び前報の實驗例等よりしてオキシムに於て芳香族原子團がたとへ1個なりとも分子中に導入せられる時は其のオキシム類はすべて鉛と沈澱性化合體を構成するならんことを認め得た.故に鉛と沈澱體をつくるオキシム分子内には芳香族原子團の存在が必須的條件なるものゝ樣に推察せられる.
    3. オキシム團の隣りに移動性の水素原子を有せざるモノオキシムの一般性として鉛2原子にオキシム2分子が結合(1:1)して鎖状化合體が構成せらるべしと云ふ石橋,舟橋の考察が今囘の實驗例にありても成立することを認めた.
    4. Pb-アセトフェノンオキシム及びPb-ベンゾフェノンオキシムに於ては等しく4分子の水が保有せられることを認めた.即ち(C8H8NO)2Pb2・4H2O及び(Cl3H10NO)2・Pb2・4H2O.
    5. 此等の鉛オキシムには有効なる有機性溶媒もなく,從つて所謂分子内錯鹽の通性を具備しないものと認められる.
    6. 此等のオキシムは鉛に對する直接の分析試藥的價値と云ふよりも寧ろ分析化學に於て基礎をなす金屬有機化合物の本質的解明に對して極めて重要なる意義を有するものである.
  • オキシム鉛結合の異常性に就て(III)〔附〕放射性指示作用の適用
    石橋 雅義, 渡部 俊郎
    1943 年 64 巻 1 号 p. 53-56
    発行日: 1943/01/28
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    1. オキシムと鉛との異常結合に關する著者等の繼續研究をベンゾインオキシムと鉛とに就て行つた.
    2. モノオキシムに於てオキシム團の隣りの炭素原子に移動性の水素原子が結合して居る場合には,一般性としてオキシムの1分子に對して鉛2原子が結合し(1:2)環状體を構成するなるべしと云ふ著者等の提唱が今囘の實驗例にありても成立することを認めた.
    3. Pb-ベンゾインオキシムに就てはRPb2H2O, RPb2. 2H2O, RPb2. 3H2Oの如く1~3分子水が保有せられるものゝ樣に認められた.
    4. このオキシムを鉛の定量分析試藥として用ゆる時には沈澱體を145~150°Cにて恒量に加熱乾燥するを要する.尚ThBの有する放射性指示作用によつて本沈澱體の蒸溜水並びにアンモニヤ水に於ける溶解度を測定した.
    5. このオキシムは鉛に對する直接の分析試藥的價値と云ふよりも寧ろ分析化學の重要基礎問題の一つなる金屬有機化合物の本質的解明に對して極めて貴重なる意義を有するものである.
  • α-アミノペラルゴン酸の合成
    上田 英之助
    1943 年 64 巻 1 号 p. 57-60
    発行日: 1943/01/28
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
  • 上田 英之助
    1943 年 64 巻 1 号 p. 61-63
    発行日: 1943/01/28
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
  • インズラリンの分解反應(防已科植物アルカロイド研究第五十七報)
    富田 眞雄, 上尾 庄次郎
    1943 年 64 巻 1 号 p. 64-69
    発行日: 1943/01/28
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    我々はインズラリンの構造を究明せんとし本研究を開始したのであるが,本報に於ては先づ先人の研究成果を概觀せる後,インズラリンのホフマン分解最終産物を酸化したる場合2, 3-ヂメトオキシヂフェニルエーテルトリカルボン酸-(5, 6, 4′), 4-メトオキシイソフタル酸及び構造未詳のインズラリン酸と命名せる一種のカルボン酸を得たる事に就て述べる.
  • インズラリン酸の構造(I) (防己科植物アルカロイド研究第五十八報)
    富田 眞雄, 上尾 庄次郎
    1943 年 64 巻 1 号 p. 70-76
    発行日: 1943/01/28
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    前報に於て得たる,インズラリン酸の構造を明かならしめんとし,本酸の種々なる誘導體を合成し,又は脱炭酸反應を行ひ,その物理的乃至,化學的性質を研究して何らかの有力なる手掛りを得んと試みたが,それ等の中でインズラリン酸エステルの接觸還元的開裂反應により3, 4, 5-トリメトキシフタル酸を得たる事は構造解明に大きな寄與をなした.
  • インズラリン酸の構造(II) (防已科植物アルカロイド研究第五十九報)
    富田 眞雄, 上尾 庄次郎
    1943 年 64 巻 1 号 p. 77-83
    発行日: 1943/01/28
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    インズラリン酸メチルエステルを接觸還元して得られるC11H12O7なるオキシ酸エステルは3, 4-ヂオキシ-5-メトオキシフタル酸メチルエステルなる事を合成的に明かにした.
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