特殊教育学研究
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42 巻, 3 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 中村 和彦
    原稿種別: 本文
    2004 年 42 巻 3 号 p. 197-206
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    本研究は、知的障害児の記憶における方略利用を促進させるために、方略訓練(累積的リハーサル方略の訓練)に帰属訓練(努力帰属を促す訓練)を併せる訓練が有効か否かについて確かめるとともに、訓練を行う際に、容易に成功する課題 (記憶範囲課題)を用いた場合と成功・失敗事態が混在して発生する課題(近接領域課題)を用いた場合の訓練効果の差について検証した。なお、訓練およびプリ・ポストテストのための課題として、再生レディネス課題を用いた。さらに、より難易度の高い課題である標準的な系列再生課題を用いて、困難場面に直面した際の訓練効果を確かめた。結果、ポストテストにおいては群間に差はみられなかったが、系列再生課題では、近接領域課題を用いて方略+帰属訓練を行った群において最も方略利用が促進されたことが確認された。
  • 植木 理佐, 我妻 則明
    原稿種別: 本文
    2004 年 42 巻 3 号 p. 207-213
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    出生直後からフェノバルビタールとバルプロ酸ナトリウムを内服していた重症心身障害児(てんかん合併)の4歳の事例が、てんかん発作が多発したためバルプロ酸ナトリウムの単剤療法となった直後から、食事中に頻発していた誤嚥が減少していった。事例の場合は、食物の口への取り込み、咀嚼が障害されておらず、食物摂取時において「むせ」「せき込み」の症状が主であったため、主治医は事例の食物摂取時の状態を「誤嚥を起こしている状態」と判断した。これらのことから、筆頭著者らは食事中の誤嚥とフェノバルビタールには何らかの関係があるのではないかと仮説を立て、11か月間の事例のフェノバルビタールの内服量、10日あたりの誤嚥数((1)学園、(2)家庭)を調査したところ、それらの相関関係を認めた。フェノバルビタールが誤嚥の原因であるということは、1)時間的先行性、2)フェノバルビタールの内服量、10日あたりの誤嚥数の両変数間の相関の強さ、3)関連の整合性の3つの観点から示された。このことから重症心身障害で誤嚥のある子ども(てんかん合併)がフェノバルビタールを内服している場合、食事内容や食事摂取時の姿勢、また、呼吸、口腔機能、嚥下運動に問題のない状態、特にてんかん発作が抑制されている場合でも誤嚥が頻発する場合には、フェノバルビタールからの薬理作用を検討してみる必要があることが示唆された。
  • 小島 道生, 池田 由紀江
    原稿種別: 本文
    2004 年 42 巻 3 号 p. 215-224
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、知的障害者(24名)を対象として、従来多く用いられていた選択式による回答方法ではなく、知的障害者自身の自己叙述から自己理解を測定し、その特徴を明らかにすることである。対照群として、生活年齢を統制した健常者(64名)と比較し、分析した。その結果、知的障害者は自己理解に関するすべての質問項目に対して回答することが健常者に比べて困難で、中でも自己評価の「好きなところ」「嫌いなところ」と自己定義の「どんな人」という質問項目に対して答えることが困難であった。一方、同じ自己評価でも「いいところ」「悪いところ」に対する質問は「好きなところ」「嫌いなところ」に比べて回答しやすく、知的障害者自身の自己理解が進んでいる項目と考えられ。知的障害者の自己理解について、対象者を性別(男と女)、生活年齢(高群と低群)に基づき2群に分けて得点を比較した結果、有意差はなかった。ただし、精神年齢の高群(8〜13歳代)は低群(6〜7歳代)よりも、「嫌いなところ」について、有意に自己理解が進んでいることが示唆された。
  • 萩森 澄子
    原稿種別: 本文
    2004 年 42 巻 3 号 p. 225-235
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    本研究では、発話が困難な重度知的障害児の一事例に対し、AAC手段の指導を3歳2か月〜6歳10か月まで継続的に行った。指導の重点は、発達の各領域の評価をもとに適切なAAC手段の選択を随時行うこと、保護者と連携をとり家庭や日常生活での般化を目指すこと、これらの指導を早期から継続的に行っていくことであった。指導方法は、(1) AAC手段の段階的な選択(P&P、サイン言語、図形シンボル)、(2) AAC手段の使用場面を設定した指導室での指導、(3)日常生活場面への般化を目指した保護者指導、という3つの手順で施行した。その結果、各AAC手段の使用が可能となり、P&Pでは65種、サイン言語では4種、線画・図形シンボルでは9種の語彙を表現できるようになった。また、徐々に高次な表出手段へと移行する過程で、音声の表出が認められた。日常生活場面への般化も進み、コミュニケーション全般が促進された。
  • 原島 恒夫
    原稿種別: 本文
    2004 年 42 巻 3 号 p. 237-242
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
  • 細渕 富夫, 大江 啓賢
    原稿種別: 本文
    2004 年 42 巻 3 号 p. 243-248
    発行日: 2004/09/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
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