特殊教育学研究
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45 巻, 1 号
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  • 氏間 和仁, 島田 博祐, 小田 浩一
    原稿種別: 本文
    2007 年 45 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 2007/05/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    遠方に提示される大型電子化提示教材の文字サイズを臨界文字サイズで規定する可能性を明らかにするため、シミュレーションによる実験1とロービジョン者による実験2を行った。実験1は、文字サイズ(3水準)と読書形態(2水準)を要因とする2要因の要因計画法であった。ロービジョンシミュレーションの実験結果から、臨界文字サイズ未満と以上の間で読書速度に有意差がみられたことと、読書評価テストと実験結果の間に相関がみられたことから、臨界文字サイズは大型電子化提示教材の文字サイズの推定に利用できることが示唆された。実験2の結果は、実験1と同様の結果がみられるケースと、そうでないケースの存在が明らかになった。実際にロービジョン者の文字サイズを推定する場合は、臨界文字サイズを基準にし、あわせて内省報告を重視する必要性があることが明らかになった。
  • 柳澤 亜希子
    原稿種別: 本文
    2007 年 45 巻 1 号 p. 13-23
    発行日: 2007/05/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    本研究は、障害児・者と暮らす兄弟姉妹(以後、「きょうだい」と記す)が直面する諸問題とそれに対する支援の動向について概観し、今後のきょうだいに対する支援のあり方について提言することを目的とした。従来、障害児・者のきょうだいへの支援は、同じ立場にあるきょうだいが交流する場を設け、彼らの不安や悩みを緩和することを目的とした心理社会的な支援がおもに実施されてきた。一方、障害児・者の障害特性や対応方法について学ぶことを目的とした教育的な支援は、実施の際の指針となる知見が不十分であるために、国内外ともに体系的な活動までには至っていないことが明らかとなった。今後、障害児・者のきょうだいに対する支援においては、どの時期に、どのような情報を提示していくべきか、教育的支援の内容を体系的に構築していく必要性が示唆された。
  • 郷右近 歩, 細川 徹
    原稿種別: 本文
    2007 年 45 巻 1 号 p. 25-33
    発行日: 2007/05/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    従来、遂行機能と心の理論との間には発達過程における因果関係が想定されてきた。すなわち、遂行機能の発達は心の理論の発達の前提条件である、もしくは、心の理論の発達は遂行機能の発達の前提条件である、という相矛盾する2つの仮説が存在した。しかしながら、近年、発達障害児や脳損傷児・者を対象とした研究において、これらの仮説とは明らかに矛盾する複数の知見が報告されるようになった。本稿では、因果関係を想定した従来の仮説とは矛盾する知見を整理し、遂行機能と心の理論との関係についての因果関係仮説の問題点を指摘した。両機能の関係についての研究における今後の課題としては、1)発達障害児や獲得性脳損傷児・者における両機能の質的な側面についての検討、2)両機能の発達過程の縦断的分析、3)両機能について困難を有する人々への適切な支援につながるような視座に基づいた研究の促進、という3点が挙げられた。
  • 大久保 賢一, 福永 顕, 井上 雅彦
    原稿種別: 本文
    2007 年 45 巻 1 号 p. 35-48
    発行日: 2007/05/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    通常学級に在籍する他害的な問題行動を示す発達障害児に対して、大学相談機関と小学校が連携し、学校場面における行動支援を実施した。対象児に対する個別的支援として、(1)適切な授業参加を促すための先行子操作と結果操作、(2)課題従事行動を増加させるための結果操作、(3)問題行動に対する結果操作を段階的に実施した。また、校内支援体制を整備するために、(1)発達障害の特性や問題行動の対応に関する校内研修の実施、(2)支援メンバー間における情報の共有化と行動の継続的評価、(3)全校職員に対する情報の伝達といったアプローチを行った。その結果、対象児の適切な授業参加や課題従事行動が増加し、問題行動は減少した。また、大学スタッフと保護者の個別的支援を実施する役割を学校職員へ移行することが可能となった。対象児に対する個別的支援と校内支援体制の構築に関して、その成果と課題について考察を行った。
  • 中瀬 浩一
    原稿種別: 本文
    2007 年 45 巻 1 号 p. 49-58
    発行日: 2007/05/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
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