地盤工学ジャーナル
Online ISSN : 1880-6341
ISSN-L : 1880-6341
10 巻 , 3 号
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論文
  • 中村 光男, 勝見 武
    2015 年 10 巻 3 号 p. 329-342
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/30
    ジャーナル フリー
    深さ3~4 mの浅い根切りを想定し,トレンチャー式撹拌機など浅層混合処理工法で築造した改良体を自立山留め壁として利用する工法の設計手法は確立されていない。本論文では,浅層混合処理工法を用いて築造した強度・剛性の低い改良体の強度のばらつきと強度特性を把握したのち,掘削に伴う改良体の挙動ならびに内部応力の実測値と,有限要素法による解析値とを比較検証した。その結果,有限要素法の適用により,改良体と周辺地盤の変位を考慮した設計が可能であり,改良体と周辺地盤の剛性に応じた合理的な設計が可能であることがわかった。
  • 奥田 一弘, 土田 孝, 渡部 要一, 上野 一彦, 金子 崇, 村上 博紀
    2015 年 10 巻 3 号 p. 343-358
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/30
    ジャーナル フリー
    福島第一原発事故により発生した廃棄物と除染発生土を対象とした海面処分場の構造について検討を行った。海面処分場の護岸と遮水工は長期にわたり汚染水の流出を防止する機能を維持する必要があり,この間に発生する可能性があるレベル2相当の巨大地震時に対しても安全性と機能の維持が求められる。本研究では,重力式護岸と鋼管矢板二重締切り内に土質系遮水材を充填した遮水工による構造とし,両者の間に幅広の裏込めを設けて分離する護岸断面を提案した。遠心載荷模型実験,模型振動台実験,数値解析による護岸と遮水矢板の変形量を検討した結果,静的震度0.25として港湾の基準で設計した構造は,レベル2地震においても遮水工の変形が十分に小さく抑えられており,遮水機能を維持できると考えられることがわかった。
  • 亀井 健史, 中村 真貴, 吉田 太輝
    2015 年 10 巻 3 号 p. 359-368
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/30
    ジャーナル フリー
    本研究では,宮崎平野で選定した72地点において常時微動計測結果から求めた卓越周期と,ボーリングデータから求めた表層地盤の固有周期の比較を行う。そして,宮崎平野における常時微動のH/Vスペクトル比(水平成分と上下成分のスペクトル比)の卓越周期と,四分の一波長則より求めた表層地盤の固有周期との対応性を明らかにした。さらに,常時微動計測結果から求めた卓越周期とボーリングデータのN値から近似式により求めた表層地盤のS波速度の関係を示す。その結果,実務においてよく適用されている四分の一波長則により地盤の固有周期を評価する手法の信頼性を検証した。また,常時微動の卓越周期とボーリングデータから得られた基盤深度およびS波速度の関係から,宮崎平野における新しい基盤深度の推定法を提案した。
  • 稲積 真哉, 眞鍋 磨弥, 大津 宏康, 佐野 博昭
    2015 年 10 巻 3 号 p. 369-379
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/30
    ジャーナル フリー
    海面廃棄物処分場において護岸として施工される遮水工には,その強度や施工性に優れる鋼(管)矢板による鋼製遮水工が多く利用されている。既往の研究において,実験や調査から鋼製遮水工の耐久性や遮水性能はその機能を十分達成する評価が得られている。また,鋼製遮水工の遮水性能を評価する上で重要となる継手箇所の遮水材に関しても,様々な手法により長期的な性能評価が行われている。しかしながら,鋼材箇所の劣化を考慮した遮水性能の評価は進んでいない。本研究では鋼製遮水工の信頼性劣化評価を行い,その結果を基に意思決定基準としてライフサイクルコスト(LCC)を求め,海面廃棄物処分場の補修工法の選定等への活用を検討している。
  • 大塚 悟, 小石 悠介, 磯部 公一, 遠藤 真哉
    2015 年 10 巻 3 号 p. 381-390
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/30
    ジャーナル フリー
    東北地方太平洋沖地震では福島県会津若松市にて大規模な盛土崩壊が発生した。崩壊した盛土では液状化の痕跡が確認され,盛土材は火山性堆積物であることから粒子破砕の影響が懸念された。火砕流堆積物は全国各地に幅広く分布しており,人工盛土への適用事例も多い。本研究では現地採取土を用いて,等方圧密やせん断による盛土材の粒度変化を調査するほか,静的および繰返し載荷試験により強度特性を把握した。三軸圧縮試験より,福島現地採取土は有効応力p’=100 kPaまでの等方圧密で粒子破砕率が急激に増加すること,粒子破砕率の増加に伴い,せん断抵抗角が大きく低下することを明らかにした。また,得られた力学特性を用いて盛土崩壊事例に対し地震時変形解析を実施した。その結果,解析値が実変位量を再現し,液状化強度曲線より算出した残留強度と粒子破砕によるせん断抵抗角の減少を考慮することで妥当な解析結果が得られることを示した。
  • 荒牧 憲隆, 玉村 修司, 田中 翔, 川﨑 了, 藤井 義明, 金子 勝比古
    2015 年 10 巻 3 号 p. 391-401
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/30
    ジャーナル フリー
    本研究は,地盤工学で発展した技術を資源エネルギー分野へと展開し,地下圏バイオメタン生産技術確立を念頭に置いている。地中のメタン生成の一つには微生物起源があり,土や岩中の有機物から分解された低分子量有機酸等を基質とし,微生物の代謝生産物であるメタンが生成される。この流れを基本とした地層内バイオメタン生産技術を確立するために,地中の有機物を低分子量有機酸に分解促進する必要がある。この分解促進に過酸化水素を適用した。過酸化水素は,鉄と用いることにより汚染土壌中の有機物を分解促進する効果を有する。本研究では,この土壌汚染対策の技術原理を適用し,地層内バイオメタン生産技術に関わる石炭系材料の過酸化水素による有機物分解,その間隙構造の経時変化について検討を行った。その結果,低濃度過酸化水素で根源物質からメタン生成に必要な有機酸に分解促進されることが分かった。また,材料の有機物分解時に間隙構造が変化し,微生物の生息空間を創出する可能性が示唆された。
ノート
  • 阪口 和之, 鈴木 素之, 松原 輝明, 高山 陶子
    2015 年 10 巻 3 号 p. 403-414
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/30
    ジャーナル フリー
    平成21年7月中国・九州北部豪雨では,山口県防府市において24時間降雨量が過去最大の250mmを越え,それに起因した670箇所を越える崩壊と約490渓流で土石流が発生した。これらの崩壊は防府市を南流する佐波川両岸の花崗岩分布域に集中するが,勝坂地区を代表とする崩壊がほとんどの支流で発生した渓流と真尾地区に代表される一部の支流のみで発生した渓流があるなど,土石流の発生状況に差異が認められた。また,流域内崩壊の73%を占める0次谷で発生した源頭部崩壊数と土石流規模の相関性も見られた。本文では,現地調査および崩壊前後の平成17年と21年の航空レーザー測量に基づき,源頭部崩壊と土石流の発生状況・形態の関係を地形的観点から検討した。また,主要渓流の崩壊・土石流の面積を算定し,その情報を整理することから小規模な源頭部崩壊が多発し土石流が群発する,花崗岩地帯の豪雨災害特性を見出した。
  • 河合 弘泰, 園田 慎一, 渡部 要一, 松本 昭二郎, 池田 政人, 髙田 誠, 北村 良介
    2015 年 10 巻 3 号 p. 415-424
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/30
    ジャーナル フリー
    南西諸島の沿岸域に広がるサンゴ礁は,リーフおよび島を形成すると共に,サンゴ礫混じり土という特殊土が堆積する環境を作り出している。このサンゴ礫混じり土は,シルト粒子を基質として,枝サンゴ等が複雑に絡みあった土層構造をしていることや,緩い締まり具合にあることから,乱れの少ない試料を採取することが非常に困難とされていた。このため,その力学特性を適切に把握する事が出来ず,これまで設定されてきた設計定数等の信頼性が低い状況となっていたと想定される。本論文では,このような特殊な土質特性とサンプリングが困難と言われているサンゴ礫混じり土に対して行った新サンプリング手法の有効性,土質試験結果について評価・検討を行った。
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