地盤工学ジャーナル
Online ISSN : 1880-6341
ISSN-L : 1880-6341
14 巻 , 3 号
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論文
  • 大津 宏康, 北岡 貴文, 馬場 隆聡, ピパットポンサー ティラポン, 伊東 俊一郎, 相澤 隆生
    2019 年 14 巻 3 号 p. 241-252
    発行日: 2019/08/31
    公開日: 2019/10/01
    ジャーナル フリー

    近年,気候変動の影響と考えられる降雨に起因する斜面の表層崩壊,および土石流の発生事例が増加しつつある。その危険度評価のため,細粒分の分布特性およびその保水特性を把握することを目的とした比抵抗電気探査の適用事例が増加しつつある。本研究では,熱帯性気候で雨季と乾季の区別が明確であるタイ・チェンマイの風化花崗岩残積土を用いて構築された盛土斜面において実施した比抵抗電気探査で得られた比抵抗分布と,当該斜面で計測した体積含水率変化を比較することで,乾燥状態と湿潤状態での比抵抗の変化,および比抵抗の変化する領域が斜面表層部に現れる特性について明らかにした。さらに,本研究で得られた知見に基づき,当該斜面と異なる地盤条件および気候条件下での,降雨浸透・排水過程を対象とした斜面における比抵抗電気探査の適用性についても考察を加えた。

  • 門田 浩一, 本橋 あずさ, 佐藤 真吾, 三嶋 昭二
    2019 年 14 巻 3 号 p. 253-271
    発行日: 2019/08/31
    公開日: 2019/10/01
    ジャーナル フリー

    東北地方太平洋沖地震では,仙台市の盛土造成地において,多数の地すべり的変形被害が発生した。この被害は細粒分を多く混入する液状化が生じにくい盛土で発生しており,液状化に起因する盛土の変形被害とは異なる現象であった。本研究では,地すべり的変形が発生した盛土を対象として,変動部における物理・力学特性及び地下水特性を分析すると伴に,動的有効応力解析法等による再現解析を行い,その発生要因と機構について検討した。その結果,液状化が生じにくい盛土であっても,盛土内の締固め度89%以下の飽和部及び不飽和部(飽和度80%以上)では,大規模地震による繰返し載荷を受けると間隙水圧が上昇し,塑性変形が発生することを示した。また,繰返し載荷により上昇する過剰間隙水圧比は,盛土の静的な三軸圧縮試験結果より得られるせん断破壊時の過剰間隙水圧比と,同程度であることを示した。

  • 能野 一美, 向谷 光彦, 古川 修三, 久保 慶徳
    2019 年 14 巻 3 号 p. 273-286
    発行日: 2019/08/31
    公開日: 2019/10/01
    ジャーナル フリー

    著者らは,地下水面より上の地盤を対象とした透水試験に適用できる汎用性に優れた原位置透水試験装置の開発に取り組んでいる。これまで同試験は,地表面付近で実施する試験方法(装置)がほとんどであり,適用箇所が限定されるという課題があった。そのため開発装置は,浅層に設けたオーガー孔を利用したパッカー試験を実施できるよう発展させている。本稿では,開発装置の特徴を述べるとともに,現場飽和透水係数の算定式が確立されていないパッカー試験を対象に,地下水位が比較的浅く試験時の浸潤流量が地下水位の影響を受ける状況にある場合に適用する算定式を提案する。また,提案式で得られる現場飽和透水係数について現場試験及び数値解析で検証した結果,妥当な値であることを確認できたことを報告する。

ノート
  • 中村 公一
    2019 年 14 巻 3 号 p. 287-294
    発行日: 2019/08/31
    公開日: 2019/10/01
    ジャーナル フリー

    黄砂とは,乾燥地において強風のため微細な土粒子が舞い上がり,偏西風によって広域に運ばれる現象である。これを予報する数値モデルでは,粒径と臨界摩擦速度の関係が用いられる。地表面に土壌クラストが存在した場合,粒径と臨界摩擦速度の関係が変化することが指摘されており,これが予報精度低下の原因とされている。本研究では,土壌クラストに粒子が衝突するため,粒径と臨界摩擦速度の関係が変化するものと考えた。そこでモンゴルゴビ砂漠北部で採取した土試料を用いて土壌クラストを作成し,入射角度を固定・入射速度を変化させたガラスビーズを無風下で衝突させ,土壌クラストからの土粒子飛散状況を高速度カメラで撮影する実験を計 115 回実施した。その結果,ガラスビーズの入射速度とともに飛散する放出粒子数は増加すること,放出粒子の到達高さは土試料表面から約 20mm 以内であることがわかった。

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