山火跡地の早期緑化を目的としてクロマツとエニシダの列状混植を施した植栽区において, 物理的環境, 植生, 及び地表棲息性節足動物相を調査し, 山火後放置して自然な二次遷移に任せた放置区との比較を行なった.植栽区では, 通常の二次遷移とは異なり, 急速に成長したエニシダがクロマツを被蔭・圧迫して単独優占的な低木層を形成した.その結果, 植栽区では, 地表温度の日較差は小さくなり, 地表を覆う有機物の量は植栽直後から増加を示し, 植栽が環境の安定化に寄与している事を示した.しかし, エニシダは植栽後約5年頃から徐々に枯死し始め, その結果, 低木層は枯損消滅し, 群落の相観は草本植物群落の段階に戻った.このような環境の変化を反映して, 植栽区における地表棲息性節足動物相も, 放置区とは異なる変遷を示した.この事は, アリ類の変遷や, コオロギ類, モリチャバネゴキブリ, 及び俳徊性クモ類等の動態で特に明確であり, 植栽エニシダによる群落の植被率の急速な増加やその後の衰退が, 直接・間接に, 地表棲息性節足動物相の動態に影響している事を示した.
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