島根県東部のマツ材線虫病被害林において, リターフォールおよび降水による還元量を測定し, 物質循環に与える被害の影響について検討した。リターフォール量はマツ材線虫病被害の程度に左右され, 被害率の高い林分では被害の小さい林分の半分以下であった。落葉量の割合は林分の種組成に対応していた。リターフォールによる養分還元量はいずれの元素も被害の小さい林分で最も多く, 被害の大きい林分の約2倍であった。降水による養分還元量は, K, Mg, Caについては多かったが, P, Nについては樹冠に吸着された。しかし, 被害の度合いによる違いはほとんどなかった。被害の大きい林分では, 土壌の集積量に対する養分還元量の比率が小さく, 地上部集積量に対する養分還元量の比率が大きかった。被害の大きい林分では地上部の集積量の回復以上に還元量が回復していた。
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