日本緑化工学会誌
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26 巻, 4 号
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  • 小橋 澄治, 舘沼 慧, 丸本 卓哉, 河野 伸之, 谷本 丈夫, 下川 悦郎
    2000 年 26 巻 4 号 p. 248-274
    発行日: 2001/05/31
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
  • 今井 一隆
    2000 年 26 巻 4 号 p. 275-279
    発行日: 2001/05/31
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
  • タンジャ マハマドゥ, 嶋 一徹, 千葉 喬三
    2000 年 26 巻 4 号 p. 280-288
    発行日: 2001/05/31
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    瀬戸内沿岸の花歯岩地帯に位置する山火事後の荒廃林地において表層土を用いた培養試験を行った。その結果, 土壌水分と窒素の無機化速度および炭酸ガス放出速度の間には密接な相関があることが示された。比較的高い含水比で培養した土壌では窒素の無機化速度も高くなっていた。培養初期に乾燥させたのち含水比を最大容水量の70%まで増加させると, 乾燥処理が強いほど初めの3日間に窒素の無機化速度も大きく増加したが, その後減少に転じて, 最終的にはどの処理でも同程度の無機化速度となった。窒素の無機化速度に及ぼす乾燥処理期間の影響は, 培養初期に14日間乾燥させた場合に比べて7日間で顕著に現れた。炭酸ガス放出速度は乾燥処理時の水分に応じて高くなっていた。また, 培養期間中の窒素の無機化速度の低下にともなう炭酸ガス放出速度の増加が認められ, 窒素の無機化にともない有機化速度が増加したことを示唆していた。
  • 古澤 仁美
    2000 年 26 巻 4 号 p. 289-299
    発行日: 2001/05/31
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    本研究では, 法面にマサ土を客土し, 先駆樹種3区, 草本区, 対照区 (裸地) の5試験区を設け, 初期3年間の土壌の発達とバイオマスCの変化を検討した。施工後3年間にわたり, 全区の全窒素 (%), 全炭素 (%) は増加傾向が認められ, 特に全窒素 (%) でそれが明瞭であった。一方, バイオマスCは施工後半年間は増加し, それ以降は32-179mg/kgsoilの範囲で推移した。試験地でのバイオマスCと全炭素の比 (bioC/totC) は森林のそれより高いことが認められた。このことからbioC/totCが緑化後の土壌変化の指標になる可能性が示唆された。施工後2年目から先駆樹種の生長量の増大に従い, 地温, および土壌水分には植生区による違いが認められた。バイオマスCと全炭素 (%) および土壌水分との間に正の相関が, また地温との間に負の相関が認められ, これら3要因でバイオマスCの経時的変動を概ね表現できることが明らかになった。バイオマスCおよび土壌化学性には植生区による明瞭な違いは認められなかったが, 将来植生発達に伴い地温, 土壌水分の差が大きくなれば, 植生区によってバイオマスCに差が生じると予想された。
  • 寧 徳泉, 増田 拓朗, 守屋 均
    2000 年 26 巻 4 号 p. 300-308
    発行日: 2001/05/31
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    西南日本において緑化樹としてよく用いられている常緑広葉樹3種 (クスノキ, マテバシイ, アラカシ) の2年生ポット苗を用いて, 1996年の夏季と秋季に灌水停止実験を行い, 水ストレスが各樹種の光合成および蒸散活動に及ぼす影響を調べた。いずれの場合にも, 土壌乾燥に伴って葉内水分張力が低下したが, その低下の程度は樹種および季節によって異なった。実験に用いた3樹種の中では, マテバシイの葉内水分張力の低下が著しく, アラカシの葉内水分張力の低下が最も緩やかであった。マテバシイが土壌乾燥に対する抵抗が弱く, アラカシが強いという結果は, 既往の研究結果や筆者らの実際の緑地における経験と一致する。葉内水分張力と日光合成量, 葉内水分張力と日蒸散量の間にはともに密接な関係が認められ, 水利用効率は樹種, 季節に関わらず葉内水分張力-0.6~-1.0MPa (pF3.08~4.0に相当) 付近で0になった。すなわち, 今回実験に用いた3樹種の水ストレスに対する耐性の違いは, 葉自体の水分生理的な能力の違いというよりも, 根の水分吸収能力および樹体の水分保持能力の違いによるところが大きいと考えられる。
  • 堤 大三, 山寺 喜成, 宮崎 敏孝, 小杉 賢一朗, 水山 高久
    2000 年 26 巻 4 号 p. 309-319
    発行日: 2001/05/31
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    植物根系成長機構について, 水分屈性と重力屈性を想定した根系成長モデルを構築し, アカマツ (Pinus densiflora) に代表される直根性樹木の根系に適用した数値シミュレーションを行った。その結果, 計算により得られた平坦地・傾斜地双方における根系形状は, 現実のアカマツ稚苗の根系と非常によく一致した。また, 土壌の乾燥条件下におけるシミュレーションでは, 側根が重力方向に偏って伸長する傾向が見られ, 現実の植物根系が乾燥条件下で地下深く成長する現象と同様の結果を得た。これらの結果から, 本研究で構築した根系成長モデルは重力屈性と水分屈性の相互作用を反映しており, これらの屈性現象がアカマツ稚苗の根系成長機構を支配しているとした仮説の妥当性が確認された。
  • 近藤 哲也, 高橋 朋身, 下村 孝
    2000 年 26 巻 4 号 p. 320-326
    発行日: 2001/05/31
    公開日: 2011/06/07
    ジャーナル フリー
    硫酸処理によって硬実休眠が打破されたハマヒルガオ種子の, 発芽適温, 光の影響, 埋土の影響および貯蔵方法について, 室内で恒温器を用いた実験を行った。
    硫酸によって休眠が打破された種子は, 播種30日後には10~30℃の幅広い温度で80~95%の高い発芽率を示したが, 平均発芽日数は25~30℃で短くなり, 10℃では著しく長くなった。明・暗の光条件はこれらの発芽温度特性に影響を及ぼさなかった。砂の表面に置いた休眠打破種子は, 38%の発芽率にとどまった。これは種皮の表面からの蒸発によって十分な吸水が行われないためと考えられた。一方, 0.5~6cmの砂の中に埋土すると最終的に73~86%が発芽し, 埋土の深さが深くなるほど平均発芽日数は長くなった。
    また, 硫酸によって休眠を打破した種子は, 室内無乾燥, 室内乾燥, 乾燥3℃の条件下で貯蔵すれば, 360日後も80~95%の発芽率を維持したが, 硫酸処理を施さない硬実休眠種子は, 360日貯蔵後も9%の発芽率を示したにとどまった。
  • 吉村 晴佳
    2000 年 26 巻 4 号 p. 327-336
    発行日: 2001/05/31
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    植物葉分光スペクトル特性と光合成機能に必要なカロテノイド組成の影響について, 薄層クロマトグラフィ (TLC) による定性組成から述べ, その応用展開の技術にも言及した。5樹種の緑葉で共通に, カロテン類, ルテイン, ヴィオラキサンチン, ネオキサンチンが認められ, 高等植物の主要なカロテノイド組成の共通性が確認された。黄葉・紅葉ではカロテノイド量の減少とともにその組成は変動し, カロテノイド組成の環境応答的な変動が示唆された。可視・青領域は, 緑葉, 秋季の黄葉・紅葉さらには枯葉でもカロテノイド類が関与する吸収域である。青領域の低い反射特性の共通性は, 今後リモートセンシング植生域解析において, 気候帯, 植物群落タイプあるいは季節変化に関わらない地表被覆情報として利用できうる。光合成活性指標としてのキサントフィル・サイクル色素は, カロテノイド組成変換に伴う吸収域シフトのスペクトル変化が遠隔探知されるというメカニズムである。植物葉の青領域分光スペクトル特性を空間設計の基礎データとして考えると, スペクトル特性をいかした緑化設計により私たちの健康にマイナスの影響を与える過剰な青色光の光環境緩和ができる。
  • 市川 貴大, 高橋 輝昌, 浅野 義人, 小林 達明
    2000 年 26 巻 4 号 p. 337-342
    発行日: 2001/05/31
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    有機物を比較的多く含むわが国の森林土壌の土壌微生物活性をFDA加水分解活性法を用いて測定するための測定条件について検討した。また, FDA加水分解活性法の測定結果 (A490) をセルロース分解能と比較し, FDA加水分解活性法の有効性について検討した。その結果, SCHNÜER and ROSSWALL (1982) の方法を一部改変し, 緩衝液100mlに対して土壌試料の量を乾重で5g以下とし, FDAの反応時間を30分にすることで, わが国の森林土壌にFDA加水分解活性法を適用できるものと考えられた。また, 得られた.A490は年間を通じてほぼ一定であり, 土壌問のセルロース分解能の大小関係を概ね反映していた。このことから, 測定時期に関わらず, 1回のA490の測定によって, 土壌の相対的な微生物活性を概ね明らかにできると推察された。
  • 小林 剛, 中谷 暢丈, 鈴木 雅代, 三宅 隆之, 金 度勲, 平川 剛, 久米 篤, 中根 周歩, 佐久川 弘
    2000 年 26 巻 4 号 p. 343-348
    発行日: 2001/05/31
    公開日: 2011/02/09
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    アカマツ (Pinus densiflora Sieb.et Zucc.) 苗木の針葉のガス交換とクロロフィル蛍光特性の日内変化を野外条件下で追跡し, 光合成の日中低下の機構について検討を行った。苗木の頂部に展開した当年葉を対象に, ガス交換とクロロフィル蛍光を測定した。好陽的・耐乾性的な特性を持つと予想されるアカマツにおいても, 夏の晴天日における真昼の強光と温度上昇に対する光合成の日中低下が見られた。この光合成の日中低下には, 気孔コンダクタンスおよび光化学系IIを介しての量子収率 (Delta;F/Fm') と電子伝達速度 (ETR) の低下が伴っていた。測定は充分な土壌水分下の苗木を対象に行われたため, 植物体の水分不足ではなく, 1) 葉温や水蒸気圧欠差の上昇に伴う気孔の閉鎖反応と, 2) 強光下での光化学系の活性低下が, 光合成の日中低下の複合的な原因と考えられた。このとき, 非光化学的な光エネルギー放散 (NPQ) が増大しており, 過剰な光エネルギーの発生を散逸する機構が働いていることが示唆された。
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