硫酸処理によって硬実休眠が打破されたハマヒルガオ種子の, 発芽適温, 光の影響, 埋土の影響および貯蔵方法について, 室内で恒温器を用いた実験を行った。
硫酸によって休眠が打破された種子は, 播種30日後には10~30℃の幅広い温度で80~95%の高い発芽率を示したが, 平均発芽日数は25~30℃で短くなり, 10℃では著しく長くなった。明・暗の光条件はこれらの発芽温度特性に影響を及ぼさなかった。砂の表面に置いた休眠打破種子は, 38%の発芽率にとどまった。これは種皮の表面からの蒸発によって十分な吸水が行われないためと考えられた。一方, 0.5~6cmの砂の中に埋土すると最終的に73~86%が発芽し, 埋土の深さが深くなるほど平均発芽日数は長くなった。
また, 硫酸によって休眠を打破した種子は, 室内無乾燥, 室内乾燥, 乾燥3℃の条件下で貯蔵すれば, 360日後も80~95%の発芽率を維持したが, 硫酸処理を施さない硬実休眠種子は, 360日貯蔵後も9%の発芽率を示したにとどまった。
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