日本緑化工学会誌
Online ISSN : 1884-3670
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49 巻, 2 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
特集「乾燥地林の保全と再生を考える」
特集「グリーンインフラ技術開発のための実証調査の紹介」
論文
  • 菊地 未宙, 加藤 顕, 蝦名 益仁, 朝日 洋成
    2023 年 49 巻 2 号 p. 192-197
    発行日: 2023/11/30
    公開日: 2024/01/30
    ジャーナル フリー

    撹乱後の森林の再生において, 実生の生育環境を把握することは重要である。本研究は,実生の発生や発生に関わる落葉量について3次元レーザーを用いて評価できるかを検討した。落葉量は実生の発生に対して, 物理的出現阻害, 地表下土壌の変化, 病害の蔓延などの影響を及ぼす。実生量や落葉量を把握することは多大な調査労力を要するため, 3次元レーザーを用いて効率化したいと考えた。レーザーデータから得られた実生量と現地調査で得られた実生高の合計には正の相関があった。落葉前後のレーザーデータから得た落葉量と現地調査で得られた落葉量には正の関係があった。

  • 真野 丈瑠, 大西 智貴, 口井 隆司, 中島 敦司
    2023 年 49 巻 2 号 p. 198-203
    発行日: 2023/11/30
    公開日: 2024/01/30
    ジャーナル フリー

    自然保護区における開発規制が太陽光発電施設の設置に与える影響を明らかにするため,和歌山県を対象として太陽光発電施設の設置状況および設置以前の土地利用を調査し,自然保護区との重なりをみた。その結果,和歌山県では1,320件の太陽光発電施設が確認され,設置以前の土地利用では荒地での設置が最も多くみられたものの,開発面積ではゴルフ場が上回った。自然保護区における太陽光発電施設の設置は自然公園に28件,鳥獣保護区に176件,保安林に3件みられ,設置規制のない鳥獣保護区で設置される傾向がみられた。また,自然保護区の森林では針葉樹林よりも広葉樹林に集中して開発が進められていることが分かった。

技術報告
  • 本橋 篤, 藤本 穣彦
    2023 年 49 巻 2 号 p. 204-207
    発行日: 2023/11/30
    公開日: 2024/01/30
    ジャーナル フリー

    人と植物との関係を理解するための1つとして,人が植物をどのように認識,イメージしているかを調査するため,日本に全国的に分布し,都市部における緑化で植栽などが多く行われているブナ科植物の堅果(ドングリ)に着目し,東京都多摩市でのアンケート調査を実施した。アンケート調査では,回答者にドングリを1つ描画してもらい,その描画パターンの分類を行った。その結果,ドングリの描画イメージは,堅果と殻斗が組み合わさった状態を指し,堅果は縦長であることが確認された。また,殻斗の形状は,描画パターンが複数に分かれることが明らかとなった。

  • 井内 祥人, 寺本 行芳, 下川 悦郎
    2023 年 49 巻 2 号 p. 208-212
    発行日: 2023/11/30
    公開日: 2024/01/30
    ジャーナル フリー

    鹿児島県の民有林における山地災害の実態や発生要因を検討した。1964年から2020年の57年間で8,193箇所の山地災害が発生していた。山地災害の発生に寄与すると考えられる1時間50 mm以上の雨量の頻度は経年的な増加傾向を示した。しかし,山地災害箇所数を災害期間の雨量で除した,単位雨量当たりの山地災害箇所数の上限値は減少傾向にあった。また,災害期間の雨量が1,000 mm以上における山地災害箇所数には経年的な減少傾向がみられたが,同1,000 mm未満における山地災害箇所数には,雨量との明瞭な関係がみられなかった。山地災害箇所数の経年的な減少の要因として,民有林の成長による表層崩壊防止機能の向上と山地災害の復旧事業による斜面防災力の向上が考えられた。

  • 福田 尚人, 山田 和人
    2023 年 49 巻 2 号 p. 213-216
    発行日: 2023/11/30
    公開日: 2024/01/30
    ジャーナル フリー

    羅臼地域治山事業で使用されてきた木本植物ミヤマハンノキとイワヨモギの採取区域における種子採取可能量を算定するため,母樹・群落の花序・果実数と単位数量当たりの結実種子粒数の調査を行った。その結果樹高4 mの結実しているミヤマハンノキの場合は,約21,000粒の種子が採取可能であることを推定できた。また普通土を生育基盤とするイワヨモギ群落は,1 m2 当り約40,700粒の種子が採取可能であることを推定できた。

連載「緑化工学における統計学の利用」
コラム 緑化植物 ど・こ・ま・で・き・わ・め・る
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