日本緑化工学会誌
Online ISSN : 1884-3670
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28 巻, 3 号
(2003 Feb.)
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
特集
  • 高梨 雅明
    2003 年28 巻3 号 p. 401-405
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/08/27
    ジャーナル フリー
  • 柴田 昌三
    2003 年28 巻3 号 p. 406-411
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/08/27
    ジャーナル フリー
  • 鳥居 厚志
    2003 年28 巻3 号 p. 412-416
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/08/27
    ジャーナル フリー
    西日本各地の里山地域で, 竹林の拡大現象が問題になっている。そこで, 京都府下と滋賀県下を例に, 刊行年の異なる地図や撮影年次の異なる空中写真を用いて, タケの分布の変化を解析した。京都府の西山地区の解析結果から, 大都市域に近い平地 · 丘陵地では都市化に伴って竹林が減少する一方で, 山地ではタケが自然に分布を拡大している状況が明らかになった。また京都府の山城地区の解析結果から, 1970年頃までのタケノコ畑の拡張と, それ以降の自然の分布拡大の状況が明らかになった。タケが分布を拡大している背景には, 輸入タケノコの増加, タケノコ農家の生産意欲の低下, 農業の後継者不足, 燃料革命などが関係している。そして竹林を含む里山全体が放置され, 自然状態でタケと樹木が生態学的に競争した結果, 光の獲得競争という点で有利なタケが周囲の二次林などに侵入して分布を拡げていると考えられる。京都府の男山と滋賀県の八幡山での解析結果から, 竹林の拡大速度は, 平均すると2∼3 m/yr.であると推定された。また竹林の拡大速度は, 地形条件にはあまり影響されず, 隣接する場所の植生に強く影響されることが明らかになった。
論文
  • 山口 高志, 春木 雅寛
    2003 年28 巻3 号 p. 417-425
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/08/27
    ジャーナル フリー
    1977-78年の有珠山噴火による貧栄養の火山灰から植物リターを用いてシマミミズ Eisenia foetida (Savigny)の飼育により10カ月にわたって土壌生成試験を行った。ミミズの活動により土壌微生物の活動も促進され, キャスト層が容易に形成された。キャスト層はミミズを投入しないコントロールや火山灰に比べ粒子の細粒化と団粒化が有意に進んで保水性が向上した。無機態窒素はコントロールに比べ約10倍増加し, 可給態リン酸, Ca, K, Mgなどの交換性陽イオンも有意に増加した。これらの結果から, 今後有珠山のような降灰堆積物からなる火山や火山灰を対象に, ミミズの活動を利用し植生の早期回復や緑地の保全へ応用する可能性が示された。
  • 小田 麻代, 山本 福壽
    2003 年28 巻3 号 p. 426-430
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/08/27
    ジャーナル フリー
    本論文はクヌギ2年生実生苗を水耕栽培し, アルミニウム濃度とリン濃度がその成長に及ぼす相互作用について述べたものである。NH4H2PO4を(NH4)2SO4とし, リンを除去した1/5濃度Hoagland培地を用い, NaH2PO4とAl2(SO4)314~18H2Oを用いて各濃度のアルミニウムとリンを添加した。各培養液はpH 4.0に調整した。対照区は0.2 mMのリンを添加し, アルミニウムを添加せずpH 5.8とした。苗木は1994年の9月21日から11月8日までの7週間培養した。地下部の成長をみると, 0.27, 2.7および5.4 mMアルミニウム処理区のリン無添加培地では新根の発生が顕著であった。しかし, 0.27または2.7 mMアルミニウム処理区では, 高濃度(2.0 mM)のリンを添加することによってアルミニウム処理による発根促進効果が打ち消された。一方, 5.4 mMアルミニウム処理では, 高濃度(2.0 mM)のリンを添加しても根量の増大が認められた。地上部についてみると, 高濃度(5.4 mM)アルミニウム処理区ではアルミニウムによる成長阻害作用が顕著であり, リン無添加区はもとより, 対照区と同濃度の0.2 mMリンを添加しても葉の乾物重量は減少した。しかし, このような5.4 mMアルミニウムによる地上部の成長阻害は, 高濃度(2.0 mM)のリンを添加することによって打ち消された。
  • 武田 一夫, 伊藤 隆広
    2003 年28 巻3 号 p. 431-437
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/08/27
    ジャーナル フリー
    斜面表層崩壊に対するササ地下茎の補強効果を評価するため, 北海道 · 道東地域のミヤコザサ群落33調査地で, 群落の構造を調べた。その結果, ササ地上部を代表する指標として, 葉面積指数の有効性が確認された。その指標を使って, 地下部のいくつかの因子との相関を調べたところ, 葉面積指数の増加に伴って地下部乾燥重量は増加した。また, 平坦地で認められた葉面積指数と1 m2あたりの地下茎の体積または長さとの相関は, 斜面では認められなかった。一方, 補強効果としての地下茎引張り力を算出するための因子, 斜面における斜面単位幅断面あたりの地下茎積算断面積は, 葉面積指数との間に強い相関があった。両者の関係を使って, 斜面表層崩壊に対するササ地下茎の補強効果を一般化した評価方法を示した。さらに, 森林地区の斜面では, 無立木地の斜面に比べて, 地下茎は太く, 水平(等高線)方向に伸張しやすいことが判明した。
  • 真鍋 徹, 鹿嶋 秀子, 伊東 啓太郎
    2003 年28 巻3 号 p. 438-447
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/08/27
    ジャーナル フリー
    北部九州の都市近郊域における景観構造の変遷を解析するため, 1947年及び1989年撮影の空中写真から両年の植生図を作成した。あわせて, 当該地域に残存する常緑広葉樹が優占する孤立した社叢林の林分構造を調査した。過去42年間に当該地域では, 低木林や落葉広葉樹二次林などの面積が減少し, 竹林や常緑広葉樹二次林の面積が増加した。林分構造を調査した常緑広葉樹社叢林は, 過去から既に孤立状態にあり, その面積はほとんど変化していなかった。イスノキ, タブノキ, ヤブツバキ, ヒサカキなどの樹種は, 当社叢林においても常緑広葉樹天然林と同様の更新状況にあると判断された。一方, シロダモやウラジロガシは, 天然林とは異なった更新状況を示し, 当社叢林を取り巻く景観構造の変化の影響を受けている可能性が示唆された。特に, シロダモは種子供給源となり得る成木個体数に比して非常に多量の実生が存在していた。これは, 面積が増加した常緑広葉樹二次林から当該林への種子散布量の増加に起因するものと推測された。
技術報告
  • 市川 貴大, 高橋 輝昌, 浅野 義人, 小林 達明
    2003 年28 巻3 号 p. 448-450
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/08/27
    ジャーナル フリー
    イオン交換樹脂(IER)は緑地生態系内の養分動態に関する研究に用いられているが, IERの乾燥に伴うイオン吸着能の低下が懸念されている。そこで本研究では, IERによる雨水中の養分イオン量を簡易測定するための基礎的研究として, IERの乾燥がイオン吸着能に及ぼす影響について検討を行った。その結果, IERにおけるイオンの吸着量は重量含水率51.9%から1.4%への減少にかかわらず低下しなかった。このことから, IERは乾燥状態に置かれても十分溶存イオンを吸着する能力を有し, 雨水中の養分イオン量の簡易測定に使用可能であることが示唆された。
  • 大澤 啓志, 藤崎 健一郎, 勝野 武彦
    2003 年28 巻3 号 p. 451-455
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/08/27
    ジャーナル フリー
    都心部にある団地建替に伴い屋上ビオトープが整備された“アーベインビオ川崎”1号棟において, その人工地盤上緑化地への侵入植物を調査した。竣工後1年目として計171種が確認され, そのほとんどが草本類であり, 木本類は14種のみに止まった。土壌水分は, 2階部の約50%に対し, 3階部が20~30%と半分程度であった。主に黒ボク土からなる2階部では一年草(49%)と多年草(44%)が近い種数割合を示したのに対し, 主に人工土壌からなる3階部では一年草が約73%を占めていた。これらの確認種は, 客土用土壌に種子 · 植物体が含まれていたと考えられるものが多い一方, 植栽植物の根鉢等も重要な侵入経路となることが示唆された。また, 屋上ビオトープに野草類を積極的に導入できるよう設置した“エコパッチ”には, 小規模な範囲でありながら非常に多くの種の生育が確認された。毎月の調査により早春季~秋季の開花 · 結実の消長の状況が把握され, 居住者等を対象とした季節毎の活用プログラム(観賞 · 観察会等)への反映が可能となった。
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