芝生地へのシロツメクサの混植による粗放的管理方法について検討するために, ノシバのみで造成された芝生地と, ノシバとシロツメクサを混植した芝生地において, 刈り高を2.5cmと5.0cmの2段階に設定し, 土壌中の無機態窒素量, 土壌酸度, 刈り込み後のノシバ, シロツメクサの再生量と雑草の発生量を調査した。調査期間は1998年7月から10月である。シロツメクサの混植によって土壌中の無機態窒素量は増加した。土壌pH (H2O) はいずれの調査区でも6.0-6.8であった。刈り高2.5cm区では, ノシバ・シロツメクサ混植区のノシバの再生量は, ノシバ単植区よりも少なかった。刈り高5.0cm区では, ノシバ・シロツメクサ混植区のノシバの再生量がノシバ単植区よりも多かった。ノシバ・シロツメクサ混植区のシロツメクサの再生量は刈り高5.0cm区では一定に保たれたが, 刈り高2.5cm区では減少し続けた。雑草発生量は全植生の再生量の1割以下であり, 刈り高2.5cm区よりも刈り高5.0cm区で少なかった。以上の結果から, ノシバによる芝生地では, シロツメクサを混植し, 刈り高を5.0cm程度にすることでシロツメクサの施肥効果を維持しながら, 雑草の発生もある程度抑制できるといえよう。
抄録全体を表示