日本緑化工学会誌
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27 巻, 3 号
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  • 2001 年 27 巻 3 号 p. 480-498
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
  • 前田 良之, 鵜飼 洋子, 武長 宏
    2001 年 27 巻 3 号 p. 499-506
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    乾燥および塩類集積地域の緑化材料として5種類の寒地型牧草を設定し, 高塩類条件下における発芽率, 生長量および地上部・根部カチオン含量を調査し, 発芽時および栄養生長期の生育ステージ別の, 牧草種間の耐塩性強弱を比較検討した。供試牧草としてイタリアンライグラス (IRG), メドウフェスク (MF), リードカナリーグラス (RCG), トールフェスク (TF) およびアルファルファ (ALF) を設定した。IRG, TFおよびALFの発芽率は50~150mMNaCl条件下で80%以上の高い値を示した。一方, RCGの値はNaCl濃度の増加とともに直線的に低下し, 供試牧草間で最も低かった。生育ステージの進行とともにいずれの草種も耐塩性は強まった。生育ステージに関わらずTFの耐塩性はもっとも強く, 次いでIRG, RCG, MFの順で, ALFの耐塩性は最も弱かった。また, 発芽時と生育時の耐塩性の評価はALFを除いてほぼ一致した。塩添加により全草種とも地上部および根部のNa含量は高まり, K, MgおよびCa含量は低下し, Na/K比は増加した。しかし, 生育ステージの進行とともに塩添加による植物体中のNa増加率, K, MgおよびCa低下率, およびNa/K比はいずれの草種も低下した。供試牧草間で耐塩性の最も強かったTFのこれらの値は全生育ステージで最も低かった。以上の結果から, 草種間の耐塩性強弱は塩溶液中の発芽率で判断することが可能であった。また, 塩処理によって生じる植物体内カチオン動態を制御する能力が高い草種ほど耐塩性は強く, またこの制御能力は生育とともに高まることが明らかになった。
  • 中村 彰宏, 小杉 緑子, 森本 幸裕
    2001 年 27 巻 3 号 p. 507-518
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    関西旅客ターミナルビルのアトリウム空間を対象に, アトリウムの構造, トップライトの透過特性, 太陽位置, 屋外の光量子量の推定値を用いて, 快晴日の透過光量子量を算出するモデルを作成した。算出値は, アトリウム内で得られた実測値の日および季節変化を良好に再現した。アトリウム植栽樹木, 屋外の植栽樹木, 室内に生育する観葉植物の光合成, 呼吸速度の実測値と, このモデルによる透過光量子量から, アトリウムへ導入した植物の生育特性評価を行うために, 成長量の指標となるCO2収支を個葉レベルで算出した。またアトリウムの天井高, 植栽場所を変化させた場合の透過光量子量およびCO2収支も算出した。観葉植物のCO2収支は, 植栽場所やアトリウムの構造から受ける影響が少なく, 低光量条件下での植栽利用が容易と考えられた。いっぽう, 低光量条件下で順化したモッコク, カラタネオガタマでは, CO2収支の変化が大きいため, アトリウム構造や植栽場所を十分検討してから, 緑化に用いる必要があると考えられた。
  • 植栽後9年間の成長と生残
    柳井 清治
    2001 年 27 巻 3 号 p. 519-525
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    北海道中央部古第三系泥岩を掘削し, 転圧が加えられた岩屑地において, 森林の造成法を検討した。岩屑地の表土に生育する草本を地はぎして除去し, 植栽用のトレンチを機械掘削後埋め戻し, 樹木を植栽した。植栽樹種はケヤマハンノキ, ミズナラ, ダケカンバ, ハリギリ, ヤマグワ, シナノキ, イタヤカエデなど広葉樹7種, 針葉樹はグイマツ, グイマツ雑種F1, トドマツ, およびカラマツの4種で, 9年間の成長と生残を調査した。この結果, 広葉樹はケヤマハンノキを除いては成長が極めて悪く, 植栽時の樹高を下回るものが多かった。また針葉樹は, グイマツとトドマツが消失したが, グイマツF1, カラマツが成長, 生残率ともに卓越して大きかった。植栽木の生残率はトレンチ掘削をすることで高まり, 成長量は地表面に莚, ビニールシートで被覆することからも増加した。さらに針葉樹2種と肥料木 (ケヤマハンノキ, ミヤマハンノキ, アキグミ) との混植を行ったところ, 生残率は有意に高まり, グイマッF1では成長量も有意に増加し, 肥料木との混植の効果が大きいことが実証された。以上の結果から, 締め固められた岩屑地での森林造成を行うためには, 地盤をトレンチ掘削により根張り空間を確保し, 単一樹種の植栽でなく肥料木との植栽を行うことがきわめて有効と考えられた。
  • 温 国勝, 王 林和, 吉川 賢
    2001 年 27 巻 3 号 p. 526-533
    発行日: 2002/02/28
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    中国では今なお砂漠化土地の拡大が続いており, 緑化による砂漠化対策は国家レベルでの重要課題である。内蒙古自治区毛烏素沙地に自生する臭柏 (Sabina vulgaris Ant.) は砂漠化の進展する半乾燥地に密な群落を形成し, 治砂能力に優れており, 今後の砂漠化防止のための有力な緑化植物といえる。そこで, これまで明らかとなった臭柏の分布や生育経過, 耐乾性など生理や生態の諸特性についての成果をまとめた。
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