本研究は, 選果ライン上で果実品質を迅速, 大量に判別するために, 果実の光反射特性の利用を試み, 装置化への指針を得ようとするものである。すなわち, 現行の温州ミカン果実の品質判定 (等級選別) が着色度, 損傷の有無, 表面のなめらかさ等の目視判定に依っているところから, (1) 果実の表皮色, 特にクロロフィル含量と光反射特性の相関, (2) 除去すべき損傷果, 腐敗果の種類, および損傷程度による光反射特性の変化, について詳述し, 続いて, (3) 搬送中の果実の光反射特性の検出機構, (4) 試作した選別装置の選別精度, および現行等級選別との比較, 等の研究を行なったものである。
本報では, 果皮中のクロロフィル含量, 果肉中の糖含量. 酸含量と光反射特性の関係について求め, 波長680nmにおける反射率の利用により果皮色の判定が可能なことを明らかにした。
これらの研究は, 現行選果ラインにあって専ら人手に頼っている等級選別工程の省力化, 機械化をめざし, ひいては客観的基準による選別精度の向上を計ろうとするものである。
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