農産物, 特に穀物は, 乾燥・貯蔵・輸送等のいずれにおいても, 一般にバルクの状態で扱われるので, その熱物性値もバルクとして捉えなければならない。ここに, 計測を難しくする第1の点がある。これと同時に, ある熱的条件下で水分移動の有無に配慮すべきことが, 第2の点として挙げられる。
本研究では, 穀物め水分が移動しない状態で熱物性値を計測するにめに, 非定常周期法を用いることとし, 第1報では, 固体材料を用いて基礎実験を行なうとともに, 材料内の周期的温度波が不整形な場合の解析を容易にするために, 数値解析を利用して, 所要の精度の解を得る条件を求めた。第2報以下では, 穀物を用いた計測への, 数値解析の具体的応用及びバルクの取扱いについて報告する。
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