畳表の原材料であるイ草の乾燥は結束後, 泥染めし, 乾燥機を利用した熱風乾燥により行われている。しかし, イ草熱風乾燥の研究は十分でなく, 結束イ草の乾燥特性や, 乾燥における染め土の効果等は十分解明されていない。本報では, イ草乾燥機構を解明するための緒として泥染めおよび未泥染めイ草について, それぞれ単体での乾燥実験を行った。実験に採用した乾燥温度は60, 70, 80, 85℃であり, それぞれの温度に対して, イ草重量およびイ草直径の時間的変化を測定した。
この結果, 単位蒸発量と含水率, およびイ草直径と含水率の関係が得られ, イ草乾燥の特性が実験的に明らかになった。またイ草乾燥に対する染土の影響が, 乾燥後のイ草表面の顕微鏡写真によって明らかになった。これらのことより, イ草乾燥をモデル化し, その乾燥機構を解明するための基礎ができた。
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