水処理に鉱物を用いると, 鉱物表面に存在する陰荷電により水にpH緩衝能やイオン交換作用等を持たせることが期待できる。そこで本報では石英斑岩に属する麦飯石が, 水に接したときに結晶性微粒子 (ミセル) を形成することに注目し, 水自体にpH緩衝力を付与する機能化処理システムの開発を目的とした。すなわち, 麦飯石の粒径・投入量を変えてpH緩衝能の基礎実験を行い, 同時にイオンの定量分析, 導電率の測定も行った。その結果, 麦飯石は酸性, 中性ではpHを増加させ, アルカリ性ではpHを減少させた。また, イオンの溶出は交換性陽イオンであるNa
+, K
+, Ca
2+, Mg
2+濃度の増減が認められた。導電率は粒径の細化と投入量の増加により最大12.5%増加した。
抄録全体を表示