米の加工プロセスは, 農業分野において最も重要な領域の一つであり, 相当な量のエネルギを消費することから環境汚染の原因になっている。環境にやさしい米生産プロセスを見出すためにインド西ベンガル州における3つのパーボイリング方式 (ベッセル方式, 小規模ボイラ方式, 中規模ボイラ方式), 対照としてパーボイリングを施さない方についてライフ・サイクル・インベントリ分析を行った。インベントリ (エネルギ消費大気への排出物質および固体廃棄物) の結果では, 小規模ボイラ方式>ベッセル方式>中規模ボイラ方式>パーボイリングを施さない方式の順位で減少した。また, パーボイリングを施さない方式の場合には, 水系への排出物質はなく, パーボイリング方式と比較して環境への負荷が小さいが, ヘッドライス歩留 (搗精後の精米の整粒割合) が最も低かった。中規模ボイラ方式は, 他の2つのパーボイリング方式と比較して最も低いインベントリ (エネルギ消費, 大気への排出物質および固体廃棄物) 結果を示し, 環境にやさしいプロセスであることが分かった。米の炊飯プロセスで消費される一次エネルギをバイオマス利用によるものから電気 (IGCC技術によってバイオマスから発電されたものと仮定) に切り替えることで, 大気への排出物質 (CO
2, CO, CH
4, TSP, NO
x, and SO
x) が減少することが明らかになった。
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