知能と情報
Online ISSN : 1881-7203
Print ISSN : 1347-7986
ISSN-L : 1347-7986
19 巻, 3 号
選択された号の論文の22件中1~22を表示しています
目次
巻頭言
特集:「セキュリティとトラスト」
解説
特集論文: セキュリティとトラスト
原著論文
  • 福島 隆寛, 内海 彰
    2007 年 19 巻 3 号 p. 239-249
    発行日: 2007/06/15
    公開日: 2007/08/24
    ジャーナル フリー
    本論文では,Web ページに記載されている情報の信頼性(Web ページの信頼性)を,そのWeb ページやそこに含まれているテキストのさまざまな特徴から推定する手法を提案する.提案手法は,信頼性判断に影響を与える各特徴が推定対象のWeb ページで成立しているかどうかを自動判定する処理と,成立すると判断された特徴からそのWeb ページの信頼度を求める処理から構成される.どのような特徴が信頼性判断に影響を及ぼすかについては,アンケート調査を実施して,68個の特徴とWeb ページの信頼性への影響度を得た.本研究では,それらのうちの40個の特徴(信頼性の尺度)の成立を自動判定する手法を開発した.また信頼度を計算する手法として,影響度の総和を取る方法とSupport Vector Machineを用いた機械学習により信頼度を求める手法を開発した.そして,評価実験を通じて,信頼性の尺度の判断処理の有効性と信頼できる/信頼できないページの二値分類に対する提案手法の有効性を確認した.
ショートノート
  • 日景 奈津子, 村山 優子
    2007 年 19 巻 3 号 p. 250-255
    発行日: 2007/06/15
    公開日: 2007/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では,これまでに安心感の定量的評価の実現を目的とした安心度評価モデルについて提案してきた.本論文では,安心度評価モデルについて紹介し,提案モデルの妥当性の検証について報告する.質問紙を用いて安心感に関する意識調査を実施し,得られた統計データを用いて因子分析を実行した.その結果,1)社会的信用と安全性に対するユーザの期待感,2)ユーザインタフェースを介して得られる満足度,3)ユーザの主観と経験に基づくリスク理解の3 因子が安心感要因として抽出可能であることを確認し,提案モデルを支持する安心感の構造を示した.今後の課題として,抽出された安心感因子を用いて,あるシステムに対するユーザの主観評価値を予測するためには,これらの因子を定量的に考慮した予測方法の定式化または数量化手法の検討が望まれる.
  • Davar PISHVA
    2007 年 19 巻 3 号 p. 256-263
    発行日: 2007/06/15
    公開日: 2007/08/24
    ジャーナル フリー
    This paper describes the feasibility of enhancing existing biometrics technology with a spectroscopic method in order to prevent spoofing. It goes beyond the simple approach of an aliveness detection technique and proposes the implementation of verification of a person's unique `spectral signatures' or `factors' in addition to currently employed methodologies in a multi-factor manner to reduce the likelihood of an imposter getting authenticated. This paper also shows how to augment two widely used biometrics systems (fingerprint and iris recognition devices) with spectral biometrics capabilities in a practical manner and without creating much overhead or inconveniencing their users.
報告
書評
用語解説
学生部会ΔNGLE
一般論文
原著論文
  • 大久保 茂, 清水 貴夫
    2007 年 19 巻 3 号 p. 269-275
    発行日: 2007/06/15
    公開日: 2007/08/24
    ジャーナル フリー
    現在フラクタルは様々な分野で研究・利用されている.しかし,アレーアンテナの設計にフラクタルを用いたという例は,一部で研究されている程度でほとんどない.フラクタルアレーアンテナは,指向性を制御する方法が確立されていない.本論文では,最も単純なフラクタルの一つで,1次元のフラクタルであるカントール集合という集合の線分の両端にアンテナ素子を配置するように適用したフラクタルアレーアンテナの指向性を制御する理論式を提案し,さらに給電振幅誤差が指向性に与える影響についても検討している.
  • 松本 裕二, 馬野 元秀, 藤丸 雅弘, 瀬田 和久
    2007 年 19 巻 3 号 p. 276-286
    発行日: 2007/06/15
    公開日: 2007/08/24
    ジャーナル フリー
    人間の学習過程では,始めは与えられたデータをそのまま覚えておき,それを用いて推論を行うが,与えられたデータが増えるにつれて,それらをまとめた知識を持つようになる.つまり,データ数が少ないときに適した知識の表現方法と多いときに適した表現方法は異なっており,データに応じて適切な知識を持つようになると考えられる.このような学習を表現するために,本論文では抽象度が異なるいくつかの知識表現法を用いて,これらを変化させながら推論と学習を進めていく方法を提案する.具体的にはデータがひとつずつ与えられるごとに現在の知識を用いて推論を行い,推論結果と正解を比べて不正解が連続した場合に,推論法の切り換えや知識の再構成や知識表現の切り換えを行うことにより学習を行う.これによって,状況にできるだけ適した知識表現と知識集合を用いるようにする.UCIの機械学習用データセットの手書き数字識別データを使用してシミュレーションを行った.その結果,知識の量を抑えながらある程度の推論性能を保つとともに,人間のように知識表現が切り換わっていく学習が行われることが分かった.
  • 上杉 亮, 本多 克宏, 市橋 秀友, 野津 亮
    2007 年 19 巻 3 号 p. 287-298
    発行日: 2007/06/15
    公開日: 2007/08/24
    ジャーナル フリー
    Fuzzy c-Varieties(FCV)法は線形ファジィクラスタリング手法の一つであり,データ分割を考慮し低次元部分空間を推定する局所的な主成分分析に適用することができる.FCV法のクラスタリング基準はデータ点とプロトタイプの線形多様体との距離からなるが,その評価基準は最小2乗近似に基づいて定義することもでき,局所的な主成分分析法の一種ともみなされる.最適尺度法は,混合データベースの多変量解析への有用なアプローチであり,線形モデルの推定に適用されている.本論文では,最適尺度法に基づく混合データベースの局所的な主成分分析の定式化を,本質的に等価であるFCV法と最小2乗近似に基づく線形ファジィクラスタリング法の2種類のモデルから提案する.提案手法では,カテゴリカル変量の数量的得点を計算するステップを繰り返しアルゴリズムに導入する.
  • -記憶パターン更新型カオスニューラルネットワークと作曲システムへの応用-
    徳丸 正孝, 村中 徳明, 今西 茂
    2007 年 19 巻 3 号 p. 299-312
    発行日: 2007/06/15
    公開日: 2007/08/24
    ジャーナル フリー
    カオスニューラルネットワークは連想記憶の能力を持つことが知られており,想起過程において複数の記憶パターンの特徴を併せ持つような新たなパターンが想起されるなどの興味深い振る舞いを示すことが知られている.本研究では,カオスニューラルネットワークの新たな分野への応用の試みとして,記憶と忘却を繰り返すことにより徐々に変化するパターンを発想し続けるシステムを提案する.本システムでは,複数の記憶パターンを記憶したニューラルネットワークにより新たなパターンの想起を行うが,記憶パターンの1 つを忘却し,新たに出現したパターンを記憶して想起を続ける.これにより,本システムは想起パターンの特徴を徐々に変化させながらも新たなパターンを次々と想起し続けることができる.このようなシステムはエンターテイメント分野などへの応用が期待できるが,本論文では応用例として,雰囲気を徐々に変化させながら楽曲を奏で続けるシステムを作成した.実験の結果,本システムが記憶と忘却を繰り返しながら新たな楽曲を生成していることが確認された.また,聴取実験により,本システムの奏でる音楽は,数小節のメロディを繰り返すような単純な音楽よりも飽きないものであり,また心地よいものであることが確認された.
学会から
会告
feedback
Top