日本語テキストファイルを扱うプログラムを書く上で最初に問題になるのは16ビットコードの日本語文字と従来からある8ビットの英数字とが自由に混在しているところにある.文字列に関するかなり複雑な操作も簡単に記述できるSNOBOL4に日本語テキスト処理機能を付加することで,日本語文字と英数字とが混在しているテキストの高度な手続きを簡単に記述できるようにした.主記憶内での英数字の表現を16ビットに正規化することによって,文字列処理の複雑なアルゴリズムを含む既存のSNOBOL4処理系の主要部分は全く変更せずに機能追加を実現できた.開発は日本語テキスト処理機能を設計し,とにかく動くものを実現する第1段階と次にその処理性能を改善する第2段階とからなる.最後に,既存ソフトウェアを手直しすることによって日本語テキスト処理機能を比較的容易に実現できた理由について考察する.
ν-定義可能行為によって,プログラムの検証を容易かつ厳密に行うことができる.「危険領域」や「餓死問題」などの,並行プログラムについての基本的かつ高度な概念と問題点をもつDijkstraの例題を対象として,ν-定義可能行為を用いて検証を行った.そのため,まずプログラムをν-定義可能行為で表現する簡単ではあるが基本的な手続きを示し,その後プログラムの検証にとって重要ないくつかの補題を証明しながら検証を進めた.