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Print ISSN : 0289-6540
40 巻, 3 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 岩崎 英哉
    2023 年 40 巻 3 号 p. 3_1
    発行日: 2023/07/25
    公開日: 2023/09/25
    ジャーナル フリー
  • 橋本 翔太, 木村 大輔
    2023 年 40 巻 3 号 p. 3_2-3_15
    発行日: 2023/07/25
    公開日: 2023/09/25
    ジャーナル フリー

    三角形三色問題とは,正六角形のマスを敷き詰めて n 段の逆三角形状に配置し,互いに隣接する任意の3マスの色が全て同じかどれも異なるように逆三角形を3色で塗り分けたとき,逆三角形の3頂点のマスの色が必ず全て同じかもしくはどれも異なっているか,もしなっているならそのような段数の一般項は何かを求める問題である.この問題は雑誌「数学セミナー」の「エレガントな解答をもとむ」欄で出題されており,段数の一般項は 3k で表せることが示されている.本論文では,この問題を定理証明支援系 Coq 上で形式化し,数学セミナーで紹介されていた証明を実装した.紙の上での証明の概要と Coq 上で形式化した証明について述べる.形式化のために工夫した点や,紙の上で証明を与える場合と比較して定理証明支援系によって得られた恩恵について論じる.

  • 川島 寛乃, 河野 慎, 大越 匡, 中澤 仁
    2023 年 40 巻 3 号 p. 3_16-3_28
    発行日: 2023/07/25
    公開日: 2023/09/25
    ジャーナル フリー

    本研究では実社会における出力クラスの増加に対応可能な画像分類の実現に向けて,上限の定められたデータ保持容量を効率的に用いた継続学習手法を提案する.継続学習の先行研究として,一部のデータをコアデータとして保持して新たに追加された訓練データと併せて再学習を繰り返すリプレイ手法では,保持するデータ数がクラスごとに一定であった.本研究では各クラスの難易度に応じたコアデータの容量制御およびそれを用いた継続学習手法CC-replayを提案し,限られた容量下でより効率的にリプレイすることを目指す.実験では2つのベンチマークシナリオにおいて精度および訓練時間をもとに性能を評価し,全てにおいてベースラインよりも高い平均精度,最終精度を達成した.

  • TAKAMI Shunki, ONISHI Masaki, NODA Itsuki
    2023 年 40 巻 3 号 p. 3_29-3_49
    発行日: 2023/07/25
    公開日: 2023/09/25
    ジャーナル フリー

    We propose Waffle, a novel experiment workflow control framework for large-scale social simulation experiments utilizing high-performance computing clusters (HPCCs). Advancement in computer technology has enabled large-scale experiments in computational social science. However, with the expansion in the scale of the experiment, the cost of manually managing the experiment increases considerably. To address this issue, we provide the experiment workflow control framework that uses a recursive meta-level control mechanism and a chain of procedures by the guarded suspension to automate management. The framework manages task queuing in parallel processing, experimental results, and HPCC jobs. We evaluate the functionality and efficiency of the proposed framework using a case study, which is a data assimilation experiment involving virus infection simulation. The framework supports evidence-based policymaking against long-term urban planning or emergencies, such as pandemics, because of the ability to handle large-scale experiments.

  • 鈴木 遼, 上田 和紀, 坂井 滋和
    2023 年 40 巻 3 号 p. 3_50-3_72
    発行日: 2023/07/25
    公開日: 2023/09/25
    ジャーナル フリー

    情報可視化やインタラクションのためのC++フレームワークSiv3Dは,2016年にOSS化されて以降,現在までに5,500回を超える機能追加と改良が公開リポジトリ上で行われている.これらには,近年のハードウェアや開発ツール,言語仕様の進化,ユーザの利用事例の検証等を踏まえた様々な新機能やAPI設計の見直し,およびC++17/C++20への対応など,興味深い事例が含まれている.本論文では,Siv3DのOSS化以降5年間における設計の選択や変更,普及のための取り組みを紹介し,情報可視化やインタラクションに関する現代的なC++フレームワークの設計と運用に役立つ知見を共有する.

  • 金子 朋子
    2023 年 40 巻 3 号 p. 3_73-3_87
    発行日: 2023/07/25
    公開日: 2023/09/25
    ジャーナル フリー

    システム相互間のコミュニケーションミスによるシステム障害が増加し,想定外原因でのトラブルが無くならない事態が発生している.新たなシステムの基幹を担う要素がソフトウェア中心に変化していることもその要因とされる.安全性 (safety) は『許容不可能なリスクがないこと』と定義され,この安全性を確保するためには,ソフトウェア中心のシステムに対応した新しい分析手法,事故モデルが必要とされている.そこで本稿では,新たな安全性分析手法・モデルとして,STAMP (System Theoretic Accident Model and Processes) の他,レジリエンスエンジニアリングやセーフティケースについて,元になる考え方と手法を解説する.また,人や組織を含めたシステム全体からのモデル化を伴い,他に例がない事故分析手法である CAST (Causal Analysis using System Theory) の手順,特徴を示す.

  • 佐藤 亮介
    2023 年 40 巻 3 号 p. 3_92-3_93
    発行日: 2023/07/25
    公開日: 2023/09/25
    ジャーナル フリー
  • 川谷 知寛, 塚田 浩二, 栗原 一貴
    2023 年 40 巻 3 号 p. 3_97-3_112
    発行日: 2023/07/25
    公開日: 2023/08/29
    ジャーナル フリー

    近年,IoT が一般化している中で,ArduinoやM5StackなどのIoT デバイスの動作や仕組みを他者と共有する場面が増えてきている.さらにコロナ禍に伴い,各教育機関においても,チュートリアル動画等を用いたオンデマンド型や,ビデオ会議システム等でのスライド共有を中心とするライブ型のオンライン授業の導入が進められている.一方,IoTプログラミング教育を考えると,こうした手法は実世界のデバイスやソースコードとのリンクに乏しい等の問題があった.そこで本研究は,Web上で共有される動画やスライドといった順序型コンテンツにスクリプト言語を同期させ,実世界のIoT デバイスや編集可能なソースコードと連携させることで,IoTプログラミング学習を支援するシステム「IoTeach」を提案・開発する.本稿では,システムのコンセプトと実装を説明し,システムの印象評価と学習効果の検証,課題と展望について議論する.

  • 高橋 亮, 雪田 和歌子, 横田 知之, 染谷 隆夫, 川原 圭博
    2023 年 40 巻 3 号 p. 3_113-3_122
    発行日: 2023/07/25
    公開日: 2023/08/29
    ジャーナル フリー

    ライフログやヘルスケアのためのウェアラブル機器の多くは電池容量が小さいため頻繁に充電する必要があり,長期の使用が困難である.そこで,導電糸で実装された布型無線給電器(コイル)を衣服へ内蔵し使用中のウェアラブル機器へ常に給電することで,継続的なウェアラブルコンピューティングを目指す.しかし,人体の至る所にあるウェアラブル機器への給電に向け布型コイルを人体スケールへ拡大すると,電磁界が人体内部まで浸透するため送信電力を制限する必要があり,さらに導電糸の損失が大きいため給電効率が著しく低くなる.そこで,安全で比較的高効率な人体スケールの布型無線給電器,メアンダコイル++を提案する.メアンダコイル++は,人体への電磁界浸透を抑制できるコイル構造と液体金属ベースの低損失な導電糸を用いる.これにより,人体の70%程度を覆う広範囲な給電領域を実現し,さらに電磁界ひ曝を抑制しながら最大2.5Wの電力を約40%の給電効率で給電領域に対し約1/375サイズのウェアラブル機器へ給電できた.

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