本研究では実験的歯周炎を誘発し, オキシタラン線維の動態を検索した。成犬ポメラニアン11頭を用い, 実験群は, 歯肉縁下グループを形成し縫合糸で結紮し, 1, 3, 6ヵ月経過させた結紮群と, 結紮6ヵ月後に縫合糸を除去し, 1, 3, 6ヵ月経過させた除去群とした。その結果, 1. 病理組織学的に, 実験群は辺縁性歯周炎の発症, 進行, 治癒過程を示した。形態計測学的に, 1) 上皮・結合組織成分比率は, 歯頸部で, 結紮群では増加, 除去群では減少傾向を示した。2) 血管の数・面積は, ポケット底部で, 結紮群では増加傾向を, 除去群では減少傾向を示した。3) 骨成分比率は, 歯頸部で, 実験群では減少傾向を示した。2. オキシタラン線維は, 病理組織学的に, 歯肉と歯根膜で, 異なる分布・走行を示し, 結紮群では, 対照群および除去群と比して, オキシタラン線維は長く, 数も多かつた。形態計測学的に, オキシタラン線維の長さの平均および総和は, 結紮群では増加傾向を, 除去群では減少傾向を示した。
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