日本内分泌学会雑誌
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45 巻, 8 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 藤田 拓男, 折茂 肇, 阿部 実
    1969 年 45 巻 8 号 p. 803-809,791
    発行日: 1969/11/20
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    副甲状腺の加令に伴う変化に関する研究は極めてとぼしくわつかに組織学的研究により好酸細胞の増加するとここ, 加令現象の副甲状腺機能低下症との表面的な類似が指摘されているに過ぎない.我々は先づ加令によるカルシウム代謝調節の機構の異常に着目し, 副甲状腺ホルモンの役割を検討すると共に, 直接副甲状腺ホルモンの分泌を測定するためにRadioimmunoassay法を用い, 又腎に於ける副甲状腺ホルモンの加令による変化を, 酵素学的に追求した.更に副甲状腺ホルモンの動態の変化の結果として心血管系に惹起される変化をスルファアセチルチアゾール投与による閉塞性腎炎を用いて実験病理学的に追求し, 老化及び老年病に於ける副甲状腺の役割について新しい観点から分析を試みた.
  • 老ラット膵ラ氏島のインシュリン産生能を中心に
    京極 方久, 山本 弘之助, 山崎 義一, 奥井 正雄, 岡本 耕造, 小坂 樹徳
    1969 年 45 巻 8 号 p. 810-822,794
    発行日: 1969/11/20
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    1920年Spence1)の報告以来, 高令者の糖忍容力の低下については少なくない報告がある2)3)4)7).しかしその原因についての検討はまだ十分とはいえないように思われる.それは一つにはヒトにせよ動物にせよ個体差が強く, その時間的な年令と, 個体, 細胞の実際の加令の度とは必ずしも平行していないこと, またヒトの場合には, その上に極めて多種の遺伝因子, 環境因子が加わつて, それに対する反応が極めて複雑であることなどが, 問題を混乱させている主要な因子と考えられる.動物実験の場合には, この後半の理由は比較的容易に一定化出来る.もちろんネズミとヒトの糖代謝が完全に同一であるとはいえないが, 条件をきめ易いという動物実験の利点を活用して得た2~3の新しい知見をここに報告したい.
    さて糖忍容力の異常を来たす原因は解糖に関係する全身すべての部分にあると思われる.しかし時間の制限もあるので今回は, 「膵ラ氏島」そのもの, それも主としてβ細胞内のインシュリンの動きに限り, また手技も出来るだけ新しいものを用いて, 今までに明らかにされていない方面を追求しようとつとめた.
  • 高橋 義浩, 徳井 宏, 岸田 秀雄, 斉藤 守重
    1969 年 45 巻 8 号 p. 823-827,797
    発行日: 1969/11/20
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    GlycolysisのFirst, Final stepを律速しているhexokinase (HK), pyruvate kinase (PK) 活性の動態をホルモン投与ラット子宮, 妊娠時ヒト, ラット子宮筋について追求した.即ち, 去勢ラットにestradiolを投与すると16~24時間で子宮HK, PK活性の増加を認めた.progesterone同時投与によつてその活性誘導の抑制は認められなかつた.ヒト, ラット妊娠子宮筋のHK, PK活性も増加を認めたが, ヒトにおいてはHKはPK活性程明らかな上昇は認められれなかつた.
  • 後藤 哲也
    1969 年 45 巻 8 号 p. 828-839,796
    発行日: 1969/11/20
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    正常性周期を有する婦人のmicrovibration (MV) を観察分類し, 月経異常者について, 間脳下垂体副腎皮質系および卵巣系機能, 更に交感神経副腎髄質機能を内分泌学的に検索し, MVと対比した結果, slow α dominant MV (αS type) は交感神経緊張充進, FSH優位, ACTH・副腎皮質系低活動環境を示し, fast α dominant MV (αF type) は逆に交感神経緊張低下, FSH分泌低下, ACTH・副腎皮質系優位環境を示すものと推論された.
  • 小林 信也
    1969 年 45 巻 8 号 p. 840-850,800
    発行日: 1969/11/20
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    ラット副腎に存在するangiotensinaseを考慮しangiotensinIIを頻回に添加したラット副腎のincubation実験で, angiotensin IIはprogesterone以下のcorticosteroids生成にも刺激効果を有することを認めた.また食塩制限ラット副腎ではaldosteroneと18-OH-Bの有意の生成増加を認め, 食塩負荷では18-OH-DOCとcorticosteroneの有意の増加を認めた.急性腎性高血圧ではaldosteroneとDOCは増加の傾向を示し, 慢性腎性高血圧では18-OH-DOCの有意の増加を認めた.
  • 折野 克彦
    1969 年 45 巻 8 号 p. 851-865,801
    発行日: 1969/11/20
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    各種の合成steroid esterの加水分解の態度をin vivoによるラットの消化管内での実験, 各種臓器およびpancreatine, diastaseなどの消化酵素とのincubation実験を行ないNaOHによるケン化の態度と比較検討した.加水分解の難易は酵素の基質特異性のほかにそのstcroidの化学的性質, 例えば, それが何級アルコールのエステルであるか, また, そのまわりにどのような大きさのbulky groupが存在するかなどにも大きく左右されていることが明らかになつた.
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