日本内分泌学会雑誌
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48 巻, 2 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 小松 悟
    1972 年 48 巻 2 号 p. 80-89,75
    発行日: 1972/05/20
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    家兎の耳静脈よりNa131I (100μC.) を注射, 15分後から48時間後にわたって甲状腺内の有機ヨード化合物への131Iの取り込みをしらべた.摘出甲状腺をトリプミン消化後, ブタノール抽出し, この抽出物の濃縮液を水平式高圧濾紙電気泳動 (ホウ酸-NaOH, pH10.8;3.000volt.) にかけ, 泳動後ラジオ・オートグラムをつくつた.ラジオ・オートグラムから131I放射性のバンドの泳動した炉紙上の位置を求めて切出し, 各バンドのc.p.mを測定した.
    Na131I静注後15分にして7~8本の放射性バンドが認められ, 1~3時間で10~12本に達し, 以後, バンド数はこのままで増減はなかつた.最も速かに泳動される無機ヨード (I-) を除いた全バンドのc.p.m.の総和から各バンドのc.P.m.の相対量 (百分比) を求め, それぞれのバンド中の131I の相対量が注射後の時間でどう変動するかをしらべてみたところ, MITが先づ増え (15分でピーク), ついでDITが30分でピークに達した.T3画分は30分まで放射能が認められなかつたが, T4画分は15分から既に131Iの取り込みが見られた.しかし, T3は60分以後, T4は15分以後, 48時間までの間に有意の増減を示さなかった点は従来のネズミについての多くの文献のデーター (ペーパークロマトグラフィーで分離している) と著しく相違していた.この点については, あるいは動物の種の違いと分析方法の相違がその理由かもしれないが, 今後の解決に俟たねばならない.
  • 第二編 間脳下垂体疾患におけるTRF test
    佐古田 雅弘, 大槻 真, 森 頴太郎, 馬場 茂明, 弘重 尚久
    1972 年 48 巻 2 号 p. 90-100,77
    発行日: 1972/05/20
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    間脳下垂体障害症例においてTRF testを施行した.下垂体嫌色素腺腫においては半数がTRF50-100μgに対して正常のTSH放出反応を示した.反応不良な症例でもTRF 400ないし600μgに対しては十分な反応を示し下垂体が予備能の大きな臓器であり, TSH分泌障害には部分的障害と完全障害があることを明らかにした.頭蓋咽喉腫において, 7例中5例がTRFに対して正常反応を示した.特に甲状腺低機能を示しTRFに正常反応を示すいわばtertiary hypothyroidismとも言うべき症例を観察した.臨床的に下垂体障害が疑われた症例ではTRFに対するTSH放出反応形式には種々のタイプが観察された.その判定にあたつては他の内分泌系の異常を十分考慮に入れ慎重でなければならない.
  • 古結 一郎
    1972 年 48 巻 2 号 p. 101-114_4,78
    発行日: 1972/05/20
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    卵巣の発育分化過程や組織由来を検討し, 以下の結果を得た.
    紅織学的所見 : 新生期以後ではgerm cellは認められず, 生後7日目に原始卵胞の他に第二次卵胞が出現した.第三次卵胞, 第一次間質腺は生後14日目前後から出現した.卵細胞直径は卵胞の発育と共に増大し, 第三次卵胞で頂点に達した.胞状卵胞, 閉鎖卵胞, 第二次間質腺は生後21日前後から出現した.卵胞の閉鎖過程より, 第二次間質腺細胞は内膜細胞に由来するとの結果を得た.
    組織化学的所見 : 生後3日目, 7日目頃の原始, 第一次, 第二次卵胞上皮に強いLDH活性をみたが, G-6-PDH活性は極めて弱かつた.しかし第三次卵胞でG-6-PDH活性の増加がみられた.
    このことから小卵胞上皮の糖代謝は嫌気的解糖系が主体をなすと推察された.間質細胞, 内葵膜細胞ではつよい3β-HSD, G-6-PDH活性の他に脂質顯粒を証明できた.
    Autoradiograph所見 : migration法より卵胞, 内莢膜細胞, 第一次間質細胞は未分化間質細胞に由来することを明かにした.pulse labeling法により, 3H-thymidineは第一次間質腺には取り込みがあつたが, 第二次間質腺では取り込みが見られなかつた.卵巣結合織の増量は間質細胞のとり込みが経令的に減少するので必ずしもin situ mesenchymの増殖に基くものではないと推測された.
  • 仲野 良介, 小辻 文和
    1972 年 48 巻 2 号 p. 115-121,79
    発行日: 1972/05/20
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
    synthetic luteinizing releasing hormone (合成LRH) の臨床応用として, 正常排卵婦人4例, 無排卵症婦人4例の計8例に, 合成LRH200μgを静脈内に投与し, 血中へのLHの放出の状態を二抗体法によるradioimmunoassay (RIA) によつて検討した.排卵婦人4例と無排卵症婦人4例のうちの3例は, 血中LHがLRH投与後15分から上昇し始め, 投与後30分前後でピークを示して, 以後漸減するという平均的パターンを示したが, 下垂体機能低下症の1例のみはLRHに対して反応を示さなかつた.
    LRHの研究の歴史について文献的考察を行うとともに, 今後の研究発展の可能性について論及した.
  • 1972 年 48 巻 2 号 p. 122-141
    発行日: 1972/05/20
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
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