歯科材料・器械
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24 巻, 4 号
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原著
  • 日置 まきは, 中原 リザ子, 中曽根 祐司
    2005 年 24 巻 4 号 p. 223-230
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2018/04/28
    ジャーナル フリー
    エナメル質面形状(曲面, 平面)およびブラケットベース面形状(曲面, 平面)が, レジン添加型グラスアイオノマーセメントのせん断接着強さに及ぼす影響について, 表面エナメル質研磨状態(研磨, 非研磨)の相違, エナメル質の種類(ウシ歯, ヒト歯)の相違を考慮しながら検討を行った.表面エナメル質研磨状態およびエナメル質の種類の相違によって, レジン添加型グラスアイオノマーセメントのせん断接着強さに有意な差は認められなかった.一方, エナメル質面およびブラケットベース面形状は, その組合せにより2倍以上のせん断接着強さに差が認められたものが存在した.特に, エナメル質面形状の相違はレジン添加型グラスアイオノマーセメントのせん断接着強さに大きな影響を与えることが示唆された.
  • 泉田 明男, 細谷 誠, 依田 正信, 木村 幸平
    2005 年 24 巻 4 号 p. 231-239
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2018/04/28
    ジャーナル フリー
    高弾性重付加型シリコーンゴム印象材の理工学的性質を調べることを目的に, 成分の組成分析と硬化体の試験(硬さ, 永久ひずみ, 動的粘弾性測定)を行った.今回使用した印象材は, 主成分は従来から用いられているこの種の材料と概ね同じであった.本印象材は従来型と比較して, 硬さは小さく, 永久ひずみは大きい傾向を示した.また, 動的試験の結果, 貯蔵弾性率は小さく, 損失正接は大きい値を示した.硬化体の軟らかさはフィラーおよびプレポリマーの配合設計によると考えられる.今回使用した材料は, 臨床的には口腔内や石膏からの撤去時において, 撤去しやすいと思われる.しかしながら本印象材に応力を加えた場合, 変形時に従来型よりも永久変形が大きく残る可能性が示唆された.
  • 緒方 敏明, 田中 康弘, 三浦 永理, 詫間 康子, 白石 孝信, 久恒 邦博
    2005 年 24 巻 4 号 p. 240-246
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2018/04/28
    ジャーナル フリー
    良好な鋳造性を有し, 生体適合性に優れた歯科用チタン合金を開発することを目指した.Tiと同等の生体適合性を持ち, Tiと全率固溶するZr, およびZrに対するα安定化元素としての効果が期待できるSnを構成元素とするTi-Zr-Sn系3元合金を試作した.試作した合金について, 鋳造性の評価, 鋳巣の観察, 引張強さの測定, ならびにX線回折実験を行った.その結果, 歯科鋳造用として期待できる鋳造性と純Tiの2倍以上の引張強さを持つTi-Zr-Sn合金が見出された.
  • 大橋 桂, 二瓶 智太郎, 倉田 茂昭, 近藤 行成, 楳本 貢三, 好野 則夫, 寺中 敏夫
    2005 年 24 巻 4 号 p. 247-252
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2018/04/28
    ジャーナル フリー
    マトリックスレジンとシリカフィラー界面におけるシラン処理層の耐水性向上のために, 3-methacryloyloxypropyltrimethoxysilane (3-MPS), 3-methacryloyloxypropyltriisocyanatosilane (3-MPI), 3-methacryloyloxypropyltrichlorosilane (3-MPC), および疎水性のフェニル基を含むシランカップリング剤の3-(4-methacryloyloxyphenyl) propyltrimethoxysilane (p-MBS), 3-(4-methacryloyloxyphenyl) propyltriisocyanatosilane (p-MBI)そして3-(4-methacryloyloxyphenyl) propyltrichlorosilane (p-MBC)を使用した.セラミックス人工歯をシラン処理し, レジンセメントの引張接着強さおよび処理面に対する混合レジンモノマー(50%Bis-GMA, 50%TEGDMA)の接触角を測定した.3-MPCとp-MBC群の接着強さは, 室温1日保管に比較してサーマルストレス後においても有意な低下は認められず, さらに, 3-MPI, 3-MPC, p-MBS, p-MBIおよびp-MBC群の接触角は, 3-MPS群と比較して有意に低い値となった.以上より, 加水分解性基にクロル基を有するシランカップリング剤はマトリックスレジンとシリカフィラー界面において高い耐水性をもつことが示唆された.
  • 廣瀬 英晴, 坂口 節子, 齊藤 仁弘, 小嶋 太巳, 黒谷 知子, 西山 實
    2005 年 24 巻 4 号 p. 253-260
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2018/04/28
    ジャーナル フリー
    シリコーンラバー系弾性裏装材: SS-シリコーンの物性および義歯床用レジンとの引張せん断接着強さについてサーマルサイクル試験(TC)を10000回付与して検討した.SS-シリコーンは低温加硫(LTV)シリコーンラバーであり, 義歯床用レジンとの接着にはシリコーンペーストと餅状レジンの混合物を接着材層として用いるものである.ショア硬さは, TC-0で60.5, TC-10000で64.7を, 引張強さはTC-0で7.30MPa, TC-10000で6.98MPaを, 引裂強さはTC-0で39.86kN/m, TC-10000で39.21kN/mを示した.加熱重合型義歯床用レジンとの接着強さは, TC-0で1.30MPa, TC-10000で1.13MPaを示した.SS-シリコーンの物性および接着性は, サーマルサイクル試験を付与しても安定していた.
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