アマルガムに代るガリウム成形充填材の開発を目的として 80wt%Sn-20wt%Cuを母合金とし, 白金, パラジウム, 銀を添加してガリウムと練和, 充填したときの諸性質を調べ, 以下の結論を得た.
1)寸法変化率は, 全種ADAS No.1アマルガム規格(±20μm/cm)に合格した.添加元素の影響は, 白金添加量を増すと減少し, 逆にパラジウム 5 wt%以上および銀 20 wt%以上添加すると増大する傾向を示した.
2)圧縮強さは, 練和2日後では寸法変化率と負の相関が認められた. 練和7日後では全種 20 kgf/mm
2以上となった. 添加元素の影響ではパラジウム添加量を増すと増大し, 逆に銀の添加量を増すと低下する傾向を示した.
3)圧縮ちぢみ率は, 練和2日後, 7日後にそれぞれ 2.9〜4.2%, 0.9〜3.3%であり, 圧縮強さと負の相関が認められた.
4)加圧短縮率測定荷重に耐えられたものはパラジウムの添加されていない試料であった.
5)かたさ(Hv)は練和7日後に117〜161となり, 白金を25wt%以上添加すると急激に減少することがわかった.
6)乳酸減量は全て1.4〜2.5mg/cm
2であった.
7)耐変色性はJIS・T 6108歯科鋳造用銀合金規格に準じて調べた結果, 全種合格した.
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