金属焼付用陶材の破壊靱性値(K
IC)の評価に, シェブロンノッチ(CNB)法を適用した.Bluhmのスライスモデルを用いてコンプライアンスを計算し, Arガス中で四点曲げ試験を行い, シェブロンの形状, 支点間距離, クロスヘッドスピードの影響を検討した.その結果, K
ICはこれらの因子から大きな影響は受けていなかった.特に, クロスヘッドスピードに依存しないことから, Arガス中では, 最大荷重付近においては亀裂の安定成長は起きていないと考えた.また, 不安定破壊開始時の亀裂長さが大きくなると, K
ICはわずかに増加することが認められたが, 平均値としては1.11±0.08MPm
1/2が得られた.更に, K
ICとヤング率から求めた破壊エネルギーは8.9±0.7J/m
2であった.本測定から, CNB法はSEPB法よりも簡単であり, 陶材のような歯科用セラミックスのK
ICを評価のために有用な方法であると考えられる.
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