本研究は,劣化促進のために熱水中に浸漬後の支台築造用コンポジットレジンの機械的性質を調べた.実験には,6種の支台築造用コンポジットレジン(Table 1参照)を使用し,間接引張強さ(DTS)と破壊靭性値(K
IC)の測定を行った.試料は,イオン交換水中に28日間,37℃で保管した群(Control),劣化を促進するため28日間ソクスレー抽出器に保管した群(Td)について行った.熱水による劣化は,DTS値ではClearfil photocore (CP)でK
IC値ではClearfil core new bond (CN), CPにおいて有意差(p<0.05)を認めた.一方,DTS値においてCN, Core max II (MII), Bell feel core (BC), Unifil core (UC) Clearfil DC core (DC), K
IC値においてMII, BC, UC, DCで,ControlとTd間に有意差は認められなかった(p>0.05).実験結果から,熱劣化させた各支台築造用コンポジットレジンは同一の劣化傾向を示さなかったが,劣化試験法の一つとして有効であると考えられた.
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