6種類のコンポジットレジン材料を用いて, 光照射だけの試験片(未処理試験片)と光照射に引き続き加熱処理を行った試験片(加熱処理試験片)を作製し, 23℃大気中1日, その後37℃蒸留中1ヵ月, 4〜60℃のサーマルサイクル1ヵ月(約10
4回)の保管を行った.片側切り欠き入り三点曲げ試験により破壊靱性値(K
IC)を測定した. 未処理試験片のK
ICは, ほとんどの材料で水中浸漬とサーマルサイクルの両方の保管条件により増大し, 保管中に後重合が進んだためと考えられた. しかし, 材料によってはサーマルサイクル後のK
ICが水中浸漬後のK
ICよりも有意に低下しているものが認められ, サーマルサイクルが材料の吸水による劣化を加速したと考えられた. 一方, 加熱処理試験片ではサーマルサイクル後のK
ICが水中浸漬後のK
ICよりも有意に高いものが認められ, 加熱処理により材料中に生じた内部応力が, サーマルサイクルによっても解放しにくかったものと考えられた.
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