チタンとフラックスの反応を調べるため, 6種類のKHF
2-LiF-NaCl-KCl系フラックスの溶融物にチタン板を浸漬して, チタン板の累積重量損失量を測定した.さらに, これらのフラックスを用いて, 銀ろうの広がりの面積を決定した.すべてのフラックスについて, 900℃においてチタン板の累積重量損失量は浸漬時間とともに増加した.フラックスの反応性は, 〔NaCl+KCl〕<〔56KHF
2-14LiF-30(NaCl+KCl)〕<〔50KHF
2-50LiF〕<〔70KHF
2-30LiF〕<KHF
2<LiFの順に促進された.温度も反応性に影響した.〔56KHF
2-14LiF-30(NaCl+KCl)〕とチタンの初期反応における活性化エネルギーは19.5kcal/molとなった.銀ろうの広がり面積は, LiF単独フラックスを除くと, 〔NaCl+KCl〕, 〔70KHF
2-30LiF〕<KHF
2<〔50KHF
2-50LiF〕, 〔56KHF
2-14LiF-30(NaCl+KCl)〕の順に増加した.最も反応性が大きいLiFでは, ろうはほとんど広がらなかった.フラックスの反応性は, ろうの広がり面積の増加とは必ずしも一致しなかった.
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