グラスポリアルケノエートセメントの物理化学的性質の向上を目的として, 8種類のアエロジル, コンポジットレジンにおいて使用されているフィラー, および高分子ポリエチレンをセメント粉末中に混入した.試料は, 微粉末の量を変えてセメント粉末中に添加したのち, 液と練和して作製した.その後, 硬さ, 歯ブラシ摩耗, 溶解性, エックス線不透過性の各試験を行った.その結果, 硬さ試験では平均粒径の小さい6種類のアエロジルで, 表面硬さの低下が認められた.歯ブラシ摩耗試験では, 1種類のアエロジルで摩耗抵抗性が大きく増加した.溶解試験では, ほとんどの微粉末において溶解量の増加が認められた.またエックス線不透過性試験では, チタン含有のアエロジルにおいてエックス線不透過性の増加が認められ, 反対に高分子ポリエチレンでは不透過性が減少した.
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