本研究では,中型鋳造用リングの寸法を模した分割金型を作製し,乾ライナーを内張りした分割金型内に埋没材練和泥を注入硬化させ,埋没材硬化後でのライナーの厚さの変化を検討した.埋没材の硬化膨張は0.35%で,この膨張に対応したライナーの厚さの必要減少値は,0.05mmであった.ライナーの厚さの減少値は,-0.075〜0.278mmを示した.ライナーの厚さの減少値は,鋳造用リングの下側の方が上側より大きくなる傾向を示した.ライナーの厚さの減少値は,ライナーの元の厚さが大きいほど大きくなる傾向が認められた.吸水性の高いライナーでは,ライナーの吸水性,保水性などの違いによって,硬化膨張の増大や吸水膨張の発現に違いが生ずることが示唆された.吸水性の小さいライナー群では,ライナーの厚さの減少値は,硬化膨張測定器を用いて得た緩衝量が大きいほど大きくなる傾向が認められた.
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