歯科材料・器械
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25 巻, 6 号
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原著
  • 平林 茂, 坪田 有史, 西村 康, 大祢 貴俊, 福島 俊士, 平野 進
    2006 年25 巻6 号 p. 457-465
    発行日: 2006/10/25
    公開日: 2018/04/28
    ジャーナル フリー
    直接法レジン支台築造におけるレジンの重合収縮応力の軽減とコア部の補強および治療時間の短縮を目的として,メガフィラーをレジンコア中に填人する新しいレジン支台築造法を提案した.本研究では,メガフィラーのレジンコアに対する補強効果を調べた.直径3または4mmのアルミナまたはステンレス鋼製のボールをメガフィラーとして使用し,これらは,それぞれシランカップリング剤または金属プライマーで表面処理した.直径3mmのボールは2つ,4mmのボールは1つを直径5mm,高さ8mmのコンポジットレジンコア中に填入した.そして,それらのレジンコアの機械的性質を圧縮試験により評価した.圧縮強さはメガフィラーの填入によりほとんど変化しなかったが,弾性率と耐力はメガフィラーの材質,数にかかわらず,メガフィラーの填入により向上した.
  • 掛谷 昌宏
    2006 年25 巻6 号 p. 466-474
    発行日: 2006/10/25
    公開日: 2018/04/28
    ジャーナル フリー
    接着性モノマーを電着処理した歯科用合金表面の安定性について処理後の保管時間および保管湿度条件の視点から検討した.タイプ4金合金およびコバルトクロム合金表面を研磨(Ra(0.1μm)し,4-methacryloyloxyethyl trimellitate (4-MET)溶液で電着処理した.処理した金属試料は相対湿度12%および50%の環境下に1時間,1,5,15および30日間保管した.処理金属表面の安定性は処理合金と常温重合レジンとの剪断接着強さの測定と赤外吸収スペクトル分析とから検討した.タイプ4金合金処理面は,相対湿度12%に保管して1日まで安定性が保たれていた.コバルトクロム合金処理面は,相対湿度12%に保管して30日,相対湿度50%に保管して5日まで安定性が保たれていた.相対湿度12%保管は50%保管に比較して処理面の安定性を保つために効果的であった.
  • 筧 晋平, 武田 昭二, 中村 正明
    2006 年25 巻6 号 p. 475-478
    発行日: 2006/10/25
    公開日: 2018/04/28
    ジャーナル フリー
    本実験ではチタンのぬれ性と初期細胞接着に及ぼすUVオゾン照射の影響を調べ,UVオゾン照射法の活用の可能性について検討した.JIS2種チタンをJIS2000番および鏡面まで研磨して試料とし,UVオゾン照射とオートクレーブ滅菌した後に,動的ぬれ性試験による接触角と培養20分,1および2時間後の初期細胞接着を判定した.その結果,UVオゾン照射群の接触角はいずれもオートクレーブ滅菌群より小さくなったが,照射時間による有意差は認められなかった.初期細胞接着では,いずれの培養時間ともUVオゾン照射群とオートクレーブ滅菌群間で有意差は認められなかった.本実験より,UVオゾン照射が必ずしも初期細胞接着に反映されなかったものの,チタン表面のぬれ性が改善されたことから,UVオゾン照射がチタン表面の浄化法となり得る可能性が示唆された.今後,細胞の諸機能に対する影響について引き続いて検討していく必要がある.
  • 星川 武, 山添 正稔, 田中 秀和, 清水 悟, 山本 裕久, 安楽 照男
    2006 年25 巻6 号 p. 479-487
    発行日: 2006/10/25
    公開日: 2018/04/28
    ジャーナル フリー
    陶材の主な物性である熱膨張係数(13.5×10-6℃)および透明度の安定性を,ガラス粉末(組成:SiO2 64.1, Al2O3 15.0, K2O 10.3, Na2O 8.5, MgO 0.3, CaO 1.2, B2O3 0.6wt%)の熱処理(850℃)に伴うリューサイトの生成とそのサニディンヘの転移挙動について研究し,以下の結果を得た.1.陶材中のリューサイトは準安定相で,誘導期間(約10時間)を経てサニディン(安定相)へ転移した.2.陶材の熱膨張係数および透明性は,リューサイトからサニディンヘの転移量の増大に伴って大きく減少した.3.合成リューサイト粉末(1wt%)を混合したガラス粉末で調製した陶材は,その熱膨張係数と透明性が4時間までの熱処理(850℃)によって変化しなかった.即ち,市販陶材(800〜950℃では1時間以内にリューサイトはサニディンへ転移開始)と比較して技工作業での安定性を約4倍に改善できた.
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