純塑性流動をなす材料の應力状態を,明瞭な降伏点を有する等方性彈性体の降伏應力と粘性係数一定な純粘性流動の粘性應力の重つた場合と考えて,塑性流動の一般方程式を立て,その應用例として單管及び二重管の問題を解いた。この結果,流量Q,圧力p,円管の内,外半径R
1, R
2,長さl及び材料の塑性粘度η,降伏点應力Kの関係は次のように表された。
Dの値は上述の種々の値の複雜な函数であるが,無次元項,a=2lK/R
2p, μ=r
2/R
2, α=R
1/R
2を用い栓流部分の平衡を考えれば結局α及びaだけの函数となり,Fig. 9のような線図に表すことができる。又材斜のK及びηの測定に当つては,材料中を円筒を遅い速度で引上げる方法を取れば,次式が成立する。
こゝにR:円筒半径,l:円筒長さ,V:引上速度,F:引上に要する力。2回に亘る測定値V
1F
1, V
2F
2,を探り,m=V
2F
1/V
1F
2, n=F
2/F
1=P
1/P
2なる無次元項を利用すれば,材料の性質K, ηはFig. 10, Fig. 11より簡單に求めることができる。なお,これらの線図を檢討するため簡單な実驗を行つた。
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